★コンスタントなペースで着実に新作をリリースして益々意気揚がり、円熟の好調ぶりが続く、当レーベル:Cellar Live(Cellar Music)のオーナーにして今やカナダ・ジャズ界を代表する顔役的人気サックス奏者:コリー・ウィーズ(ヴァンクーヴァー出身)の、今回は、自身はアルトサックスに専念し、エリック・アレクサンダー(ts)、ピーター・バーンスタイン(g)、マイク・ルドン(org)、ジョー・ファンズワース(ds)、という強力な面々と組んだ2サックス・フロントのオルガン・コンボによる、自己の音楽的ルーツだというイタリアのポピュラー・ソングをメイン・レパートリーとした一編。
★キュキュッとシャープな締まりがあってキレもいい、そして爽やかな清澄の気を湛えたアルトが、威勢よくも小粋にブルージーな歌謡アクション節を朗々と綴って胸のすくスッキリこの上なしの華を成し、一方、コクとドスを十二分に効かせて極太くハード・ドライヴィングに渦巻き吠えるテナーや、ピーンとよく張った鋭利かつソリッドなトーンでイナセに鉄火吟醸ワザをシャキシャキ繰り出すギター、更には、熱血さとスモーキーな陰影を交差させつつ、リズミカルに躍るようなアーシー&ソウルフルなグルーヴ妙技を伸び伸び紡ぐオルガン、らも各々さすがの存在感で超芳醇に、また色とりどりに余裕で拮抗しきった、全編ノリノリで中身のギュッと詰まった濃密な旨口世界を気持ちよく満喫させてくれる会心打内容。
★ハード・バピッシュかつダウン・トゥ・アースな、歌心とブルース・フィーリングとスイング感を何より重んじるこれぞオルガン・ジャズの鑑!、とも云うべきスカッとした明朗娯楽活劇調の快進撃、がひたすら嬉々として愉しげに続き、いずれもこってり濃い個性の猛者連に囲まれながらしかし悠々堂々と主役の座から逸脱することのないウィーズ(as)の、殊の外ハイテンションでイキのいい、しかも瀟洒味やウィットっぽさもバッチリ利いた何げにドラマティックなメリハリある語り口が、とりわけ傑出した無双の冴えをを見せ、極上の魅力を放って圧巻だが、トータルなアウトライン・イメージとしてはソロ・リレー合戦の開放感あるシンプル・ストレートな(半ジャム・セッション的)盛り上がりに概ね主眼の置かれた、一種の群像劇的なおおらか気分の展開が基本となっていて(だがそうやって各人が自由闊達に全方位へ興を散らしたところを、ビシッと軌道修正して本筋の歌謡モードへ自ずと戻して見せるのが、ウィーズの懐深い面目躍如たる本領だったりもする)、あくまで気楽に晴れ晴れした感覚で誠に生鮮美味なるグルーヴ空間に没頭できる、という寸法だ。
★ズッシリ重厚にウネり波打つしっかり芯の据わったアレクサンダー(ts)、背筋の伸びた勇み肌なパッショネート・プレイで気っ風のよさを顕示するバーンスタイン(g)、少々荒っぽく豪快に猛り激震するルドン(org)、そして、ある時はキャノンボール、ある時はペッパーorゲラーっぽくもなる表情多彩な千両役者:ウィーズ(as)、など、華々しくも忘れ難くおいしさ格別な個人芸の名場面目白押し。
1. O Sole Mio
2. Mr. Lucky
3. Speak Softly Love
4. On The Stairs
5. Estate
6. Chick's Tune
7. Torna A Sorriento
8. Moody Blues
9. Capricci Di Camere (Whims Of Chambers)
Cory Weeds (alto saxophone)
Eric Alexander (tenor saxophone)
Peter Bernstein (guitar)
Mike LeDonne (organ)
Joe Farnsworth (drums)
2019年10月6日または12日カナダ-ヴァンクーヴァーのThe Armoury Studios録音
レーベル:
Cellar Music (Cellar Live)
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見開き紙ジャケット仕様CD