CATFISH RECORDS

硬派で鳴らした剛腕ピアニスト：カーク・ライトシー(1937年米ミシガン州デトロイト生まれ)の、本盤は、トランペットのビッグ・スター：フレディ・ハバード(1938年米インディアナ州インディアナポリス生まれ、2008年カリフォルニア州シャーマンオークスで死去)を全曲にフィーチュアしたカルテット(1曲のみパーカッションが更に加わる)による、1987年5月&6月オランダ-MonsterのStudio 44で吹き込まれた傑作(日本のBaystate原盤→蘭Timelessから再発)の、Timeless盤のジャケットを使ったCD再発(限定生産)。歯切れよくシャープ&ソリッドに岩石をぶつけてくる感じな陰影に富んだ硬質ピアノの熱気孕むダイナミズム攻勢、にプッシュされながら、鋭利な尖り感とまろやかなスムースさが表裏一体化した閃光を放つが如きトランペットの、キリッと引き締まった精悍凛々のハードボイルド調アクション咆哮が誠に鮮やかに、研ぎ澄まされ感もハンパない華やいだ魅力を堂々揮いきった、全編硬派で雄々しいワンホーン・ハード・バップの真髄・奥義が濃密に示される白眉の充実内容。苦味走った勇壮軒昂なタフネスや立ち回りの迫真力と、明快晴朗な歌心や十全に吟醸された濃いブルース・テイスト、を自ずと堅持した、スイング感も満点の敏活でキレのあるストレートアヘッド路線の鑑!、とも云うべき真っ向勝負のハード・バピッシュ熱演がイキイキと展開され、強烈にドライヴしつつ朗々と唄うデブリアーノ(b)や鋭く斬り込んでくる(或いは突きを入れてくる)グラッデン(ds)、らの助演も鮮烈に際立つ中で、翳りある渋〜いコク旨節を綴る懐深げなライトシー(p)や、一座の花形然と華麗な至芸を連発するハバード(tp)、のアドリブ奮戦がエッセンスをギュギュッと凝縮したかのような全く見事な豊作ぶりを見せて素晴らしい。とりわけハバード(tp)の、一音一音から気力の充実と圧倒的スター性が顕れて来(加えてしっかりと情感のこもった)、また精確巧緻なテクニックの安定した超絶さも何げに示しつつの、威勢よく天空を舞い泳ぐ一陣の青嵐のような鮮度抜群のダイナミック・メロディック・ブロウが実に芳醇に、そしてブレなく確固とアザやかすぎる醸熟映えを呈していて、ちょっと只事でないぐらいに傑出しており、かたやライトシー(p)の、華やかな主役の座はハバードに譲り、自身は一歩引いたところで抑制と節度ある燻し銀っぽい穏和なダーク・ブルージー・プレイを端正に紡いで、中々得難い余情を残すという、さすがよく熟成された含蓄豊かな語り口がこれまた風流に冴えており卓抜だ。

1. ジブラルタル
2. エヴィデンス
3. ソサエティ・レッド
4. テンプテーション
5. 慕情
6. ブリジット

Freddie Hubbard フレディ・ハバード (trumpet)
Kirk Lightsey カーク・ライトシー (piano)
Santi Debriano サンティ・デブリアーノ (bass)
Eddie Gladden エディ・グラッデン (drums)
Jerry Gonzalez ジェリー・ゴンザレス (percussion on 1)

1987年5月5,6日,6月13日オランダ-MonsterのStudio 44録音

レーベル：Solid ウルトラ・ヴァイヴ(Ultra-Vybe) Timeless (Baystate原盤)

在庫有り
CD
最新リマスターCD、日本語解説書き下ろし
オリジナルジャケット使用