★ジョシュア・レッドマン(ts,ss)(1969年カリフォルニア州バークレー生まれ)、ブラッド・メルドー(p)(1970年フロリダ州ジャクソンヴィル生まれ)、クリスチャン・マクブライド(b)(1972年ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ)、ブライアン・ブレイド(ds)(1970年ルイジアナ州シュリーヴポート生まれ)、という、かつて(90年代)はジョシュア・レッドマンのレギュラー・カルテットを構成していた、今や云うまでもなくいずれも一国一城の主〜斯界を代表するトップ・アーティストである希代の名手四人が凡そ26年ぶりに顔を合わせた(これまで個別に2人や3人での再共演は度々あったが、4人全員が顔を揃えるのは26年ぶりとか)、強力リユニオン・カルテットによる一編。
★幾分か怪しく入り組んだ幾何学的でリズミック&メカニカルなフレーズをクールに、淡泊に繰り出すピアノや、縦横無尽に四方八方を駆け巡りながら鋭くパンチ・キックをカマしたりちょっと不可思議に浮遊したりする飄々としたドラム、大地にしっかりと根を下ろしつつ機敏に邁進スイングするドライヴ感と雄大なスケールに満ちたベース、らにガッチリ支えられ、また適宜煽られ、触発されて、締まりと柔らかみを自然に一体化させたまろやかトーンのテナーが、半脱力調子で丸みを帯びた渦巻きウェイヴを描くかのような、マイルド・テイスティーだが決してキャッチーすぎない巧まずして抑えの利いた旨口フレーズを悠々と滑脱に紡いで、何とも清々しく同時に渋くもある中々懐深い華を成した好演内容。
★この顔ぶれならではの、親しみやすくメロディックかつノリノリではあるもののただのハード・バップではない、リズム・スタイルも当世らしく次々多彩に変移するコンテンポラリー・センス満点のリリカル・アクション的快演、が流れるようにスイスイと軽妙に、そしてまた敏活でシャープなグルーヴ感をもって事も無く展開され、リキみなく自然体で伸び伸びとスムースに舞い泳ぐレッドマン(ts,ss)、理知的・頭脳的にエッジを立ててくるメルドー(p)、自由闊達でいてあくまで流麗に遊撃をかけるブレイド(ds)、メンバー中最もオーソドックスな、黒いブルージー・ソウルとバップ・スピリット溢れる弾みっぷり〜跳ねっぷりでストレートアヘッド・ジャズらしい安定感を齎すマクブライド(b)、と、四者四様のカラフルな重層的・多層的な交錯具合・絡み合いが一定の余裕や品格を絶やさず繰り広げられて、聴く者はその颯爽とした洗練さに気分を浄化されながら終始フレッシュ・スリリングな昂揚感と美味さを満喫できる。
★レッドマン(ts,ss)の、肩の力を抜いてゆったりと抵抗なく流線形を描いてゆくかのような、思索性を孕んだちょっとミステリアスで陰影豊かな夢幻飛行風であったり、より真っ当で直球なブルース色にも富んだモーダル・バピッシュ・フレージングであったりと、ひたすら奇を衒うことなく滑らかに流れに身を任せるが如きナチュラル・スモーキー・ブロウが、さりげないさすがの熟成ぶり〜芳醇さを軽々と示していてとりわけ絶品だ。
1. アンダートウ
2. モー・ホンク
3. シリー・リトル・ラヴ・ソング
4. ライト・バック・ラウンド・アゲイン
5. フロッピー・ディス
6. ファーザー
7. ユア・パート・トゥー・プレイ
Joshua Redman ジョシュア・レッドマン (tenor saxophone on 1, 2, 3, 4, 7) (soprano saxophone on 5, 6)
Brad Mehldau ブラッド・メルドー (piano)
Christian McBride クリスチャン・マクブライド (bass)
Brian Blade ブライアン・ブレイド (drums)
2019年9月10-12日ニューヨークシティのSear Sound Studio C録音
レーベル:
ワーナーミュージック・ジャパン Nonesuch
解説:原田 和典
*メンバーのメッセージ日本語訳付
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