★益々精力的&挑戦的な驀進が続く和モダン・ジャズ・ピアノの人気個性派才媛:大西順子(1967年京都府久世郡城陽町=現・城陽市生まれ)の、今回は、先年大好評を博していた自身率いる3管フロントの「ザ・セクステット」のセカンド・アルバムとなる、ゲスト陣(アルトサックスとギター)も交えつつの
2019年11月に新宿ピットインで行われたスペシャル3DAYSライヴ(3日間で28曲がレコーディングされた)、からのベスト・トラック11曲を収めたエキサイティングなライヴ・アルバム。(なお、当ライヴの全曲収録版は近く3枚組セットでリリースされる予定とのこと。)
★端正で歯切れのいい、一音一音を丁寧に、丹念に響鳴させながら勢いがついてくるとより豪快でワイルドな立ち回り猛襲にも転じる、緩急自在・硬軟巧みなピアノの何げに起伏に富んだ(それでいて結構飄々とした朝飯前っぽさや軽みも漂う)ドラマティック・プレイ、が先ず何よりダントツに際立った殊の外テイスティー・グルーヴィーな魅力そして圧倒的存在感を放ち続ける中で、渋〜いスピリチュアリティや黒いアーシー・ソウルに溢れたホーン・アンサンブル、並びに、乾いた感触のピリッとしたトランペット、苦味走ったアグレッシヴ&ダーク・ドライなサックス、おぼろで温かくダウン・トゥ・アースな悠然たるトロンボーン、など、各人の気合軒昂なソロ活躍が、あくまで簡潔に、なおかつ濃密でカラフルな、昂揚感も満点の見せ場を形作ってゆく、全体を通じ適宜入り組んでいながら開放的でもある、瑞々しい興奮とスリルとグルーヴ一杯な独自のコンテンポラリー・ブルージー・バピッシュ音世界に、超生鮮気分で心地よくハマらせてくれる会心打内容。
★今日流らしくリズム・スタイルは程好く多岐に渡り、ストレートアヘッドなハード・バップあり、ファンク的なグルーヴ路線あり、時にはちょっとアブストラクトな混沌さを見せたりも、などと、中々振り幅大きくメリハリ豊か、それでいてキッチリと揺るぎなく均衡点を保った、基本はごくメロディアスなエンタテインメント指向のリリカル・アクション的な行き方が活き活き溌剌と続き、適度に意表を衝いてもくるアレンジ・構成の極めてユニークな意匠と、ただならぬ熱く烈しい覇気をほとばしらせた大西(p)の前のめりな悔いなき完全燃焼ぶり、その壮絶なまでの迫真力や濃厚さ、加えてその大西に決して負けじと抗戦を挑む銘々のこれまたハイテンションなアドリブ大敢闘、といった好要素が縦横に交錯して、一時も飽きさせず大いに沸かせる。1曲1曲はさほど長丁場になることなくわりかし必要最低限の尺にまとめられた、小気味よくトントン拍子に進むノリノリな道程の中で、剛柔的確に使い分けつつ伸び伸びと愉しげに旨口街道を突き進む大西(p)の、気力も充実しきったポジティヴでフレッシュ・ダイナミックな猛ハッスルの様〜絶好調の躍動ぶりが、とりわけ格段に鮮烈な眩い煌きを堂々顕している他、懐深げな片岡(tb)、イキのいい鋭敏な広瀬(tp)、ソウルフルなバッパー然たる吉本(ts)、R&Bフィーリング溢れるネグレテ(as)、ファンク・ロックからスパニッシュまで変幻自在の吉田(g)、といった具合で、いずれも千両役者たるサイド各人の綺羅星の如き奮戦も冴えに冴え渡って、全く見事、全く痛快壮快だ。
01. Water Reflection (Akihiro Yoshimoto)
02. Rain In March (Yosuke Inoue)
03. Unity 1 (All)
04. 2 Laps Behind (Miki Hirose)
05. Route 43 (Miki Hirose)
06. Peace In Chaos (Shinnosuke Takahashi)
07. Gate Crasher (Akihiro Yoshimoto)
08. Apple Of My Eye (Junko Onishi)
09. To The End Of The World With You (Junko Onishi)
10. Lost And Confident (Yuzo Kataoka)
11. Magic Tough (Yosuke Inoue)
大西 順子 (piano, electric piano, synthesizer)
広瀬 未来 (trumpet, flugelhorn)
片岡 雄三 (trombone)
吉本 章紘 (tenor saxophone, flute)
井上 陽介 (bass, electric bass)
高橋 信之介 (drums)
with guests:
デイヴィッド・ネグレテ (alto saxophone)
吉田 サトシ (guitar)
2019年11月新宿ピットインでのライヴ録音
レーベル:
Somethin' Cool
在庫有り
国内制作CD