★益々熟練してきた絶好調の快進撃が続くお馴染みチェコの人気正統派ピアニスト:ナイポンク(1972年ウクライナのHorliwka生まれ)の、恒例となった「Live at the Office(プラハ)」シリーズの最新作、=今回は、鉄壁レギュラー・トリオに加え、NYで活躍するビッグ・バンド経験も豊富なバリトンサックスの逸材:フランク・ベイジル(1978年イリノイ生まれ)と、純正ハード・バッパー的な伝統指向の芸風で鳴らし、ナイポンクとの共演をきっかけに英国からチェコへ拠点を移したという腕利きテナーマン:オシアン・ロバーツ(1976年英国のウェールズ生まれ)、という2人のサックス奏者をフロントに立てたクインテット体制による、2枚組の力作。
★歯切れよくも流麗滑脱&敏活にファンキー・バピッシュ路線の王道ド真ん中を突き進む粋でイナセなピアノの朗々プレイ以下、リズム隊の中々猛烈にスイングする突撃驀進ぶりにシカと導かれ、プッシュされながら、パンチを利かせてドライヴ感満点に跳躍アタックしてくるテナーのブルース色濃い旨口吹奏や、ブットく豪快重厚に唸り吠えるバリトンのコク味こってりな大咆哮、らがひたすらテイスティー・グルーヴィーに頼もしげな絵を悠々飾ってゆく、理屈抜きにスカッとした会心打内容。
★生粋ハード・バップ・スタイルに乗せたブローイング・セッションの典型、とも云うべき、どこまでも単純明快でストレートな迷いなく潔き娯楽活劇!、風のメロディアス・スウィンギン熱演が嬉々として力強くもおおらかに展開され、極めて威勢よく適度に荒削りなところもあるベース&ドラムの前のめりの疾駆律動もノリノリに、フロント2管やナイポンクの、あくまで正々堂々と真っ向勝負で歌い、躍動する「人情派エンタテインメントの鑑」然としたアドリブ奮戦が、胸のすくような清々しく超壮快な盛り上がりを、大豊作ぶりを呈してゴキゲンだ。
★ベイジル(bs)の、ワイルド・ダイナミックに逞しく猛々しく野太い雄叫びを上げ、またある時はウォーム・スムースにまろやかなウェイヴを描くところもある、ペッパー・アダムスとジェリー・マリガンの中間ぐらいなスタイルを身上とする滑りのいい豪放ブロウや、ロバーツ(ts)の、屈強かつ流暢に渦巻きを成し、またイキにブルース節を唄って、何とも瀟洒な吟醸味を振りまく結構リラクシングな飄々とした立ち働き、そしてナイポンク(p)の、適宜抑制を利かせつつも洒脱で渋いアーシー・バップの権化たる芳醇節を軽妙に紡ぐ名人芸など、いずれも大衆娯楽派の伝統にしっかりと深く揺るぎなく根を下ろした美味ワザが冴えに冴え渡っており、全く見事。
CD 1 (1st set):
1. Introduction by Rene Trossman (01:09)
2. Billie's Bounce (Charlie Parker) (13:47)
3. There Is No Greater Love (Isham Jones / Marty Symes) (14:22)
4. The Long Two / Four (Donald Byrd) (10:54)
5. Doxy (Sonny Rollins) (12:24)
6. Scrapple From The Apple (Charlie Parker) (09:57)
CD 2 (2nd set):
1. Now's The Time (Charlie Parker) (17:24)
2. Prince Albert (Kenny Dorham) (11:53)
3. Cherokee (Ray Noble) (13:19)
4. Blue Monk (Thelonious Monk) (13:38)
Osian Roberts (tenor saxophone)
Frank Basile (baritone saxophone)
Najponk (piano)
Taras Voloschuk (bass)
Marek Urbanek (drums)
2018年5月9日チェコ-プラハのジャズクラブ:the Officeでのライヴ録音
レーベル:
Gats Production
在庫有り
2枚組CD