★イタリア・シーンで活躍、過去、このChallengeから発表した2作品が大好評を博し(それ以前にもKoineやDodicilune=但オムニバス盤、に吹き込みがある)、更に、アレッサンドロ・ガラーティ(p)と組んだ寺島レコードよりのアルバム・リリースも控えている、登り調子の人気女性歌手:キアラ・パンカルディ(1982年イタリアのボローニャ生まれ)の、Challengeでの3作目となる本盤は、ロベルト・タレンツィ(p)以下のピアノ・トリオ(+ゲスト入りも4曲)をバックにした快編。
★ヒンヤリしっとりした爽涼な潤いや透明感に溢れたトーン高めのきめ細かいクリーン・ヴォイスによる、基本は歌詞とメロディーを大切にした、一声一声・一言一言を丁寧に噛み締めながら優しく語りかけるような、それでいて勢いよくリズムに乗ってのダイナミック・グルーヴィーな熱唱型や、ハミング〜スキャット系統の躍動的アプローチ、なども転回として適所に盛り込み、しかしトータルとしてはあくまでクール・テンダーな柔和さと節度を保った親しみやすく耳触りのいい風合いにスッキリ収束させる、という、ごくまろやかでフレッシュなリリカル指向の端麗歌唱が、清々しく爽快に華を成した好演内容。
★バック陣のストレートアヘッドな現代ハード・バップ演奏もバッチリこってりテイスティーに魅力を際立たせながら、軽妙瀟洒で歯切れよく小気味のいい、「今日版リアル・ジャズ小唄大会」とも云うべき快調な道程が続き、インスト勢の迫真の熱演に適宜刺激され、ノセられつつ、パンカルディ(vo)の、メリハリはあるも一定の落ち着きやワンポイントの余裕、ウィットっぽさを絶やすことのない、涼やかで小粋なセンスよき流麗滑脱節が抜群の鮮度をもって冴え渡り、全くゴキゲンだ。
→白人系抒情派ジャズ・ヴォーカルの伝統にしっかり根を張りながら、同時に極めてコンテンポラリーな感覚も十二分に発揮して見せるその、今時らしくスタイリッシュだが決してポップになりすぎない、絶妙の按配で均衡点を維持した純ジャズ然たるマイルド・ロマンティックな歌い回しは、何ともチャーミングにして説得力も絶大で、また、ほぼ一貫して肩の力の抜けた流れるような嫋やか(たおやか)な立ち居振る舞いに軽々終始している辺りも高得点。
1. Better To Grow
2. Nothing But Smiles
3. Urban Folk Song
4. Adeus
5. Precious (vo & p duo)
6. The Distance Between Us
7. Songs Don't Grow Old Alone (omit piano)
8. You And I (We Can Conquer The World)
9. Our Time
Chiara Pancaldi キアラ・パンカルディ (vocal)
Roberto Tarenzi ロベルト・タレンツィ (piano except 3, 7, 8) (electric piano on 3, 8)
Darryl Hall ダリル・ホール (bass except 5)
Roberto Pistolesi ロベルト・ピストレージ (drums except 5)
Diego Frabetti ディエゴ・フラベッティ (trumpet on 2, 9)
Giancarlo Bianchetti ジャンカルロ・ビアンケッティ (guitar on 4, 7)
2020年作品
レーベル:
Challenge
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