★澤野よりの過去2作品が好評だった、ハンガリーの若手ピアニスト:ミクロス・ガニ(1989年ハンガリーのブダペスト生まれ)の、今回もトリオによる(ソロ・ピアノも3曲)待ってました!の第3弾アルバム。
★骨太く歯切れよい、堅牢にして端正な鋭角的ストーン・タッチのピアノが、バップ&ブルースの伝統的イディオム並びに親しみやすい歌謡フィーリングにしっかりと根を張った、リズム感も抜群のメロディアス・スウィンギンな、しかも幾分かポップな現代感覚もごく自然に加味された躍動的リリカル・プレイを敏活滑脱に紡いで、何ともフレッシュで清やかそして旨味充分の煌くような華を成し、ベース&ドラムの極めてパワフルで重みとキレあるガッシリしたサポートも、見事にツボにハマッてノリとスリルを的確に強化した、全体を通じ大層グルーヴィーであり、同時に中々深遠な詩情も満喫できる会心打内容。
★アメリカのモーダル・バピッシュなコンテンポラリー路線と、ヨーロッパ独自の耽美派傾向、とがバランスよく掛け合わされた(どちらかと云うと後者に比重あり、か)風な、ロマンティックでいて迫真のサスペンスとダイナミズムも十二分のアクション型抒情派演奏が、繊細かつ力強く紡がれてゆき、ガニ(p)の、揺るぎない確信を持って一音一音をクッキリと太くクリアーに響鳴させる、そうした打鍵の強さや輪郭の鮮明さが内に秘めた強靱な意志や切実切迫なるエモーションに結びついているともとれる、何げに頑とした雄渾でパッショネートなその弾奏が、スカッと胸もすく殊の外瑞々しく感動的な冴えを見せていて誠に爽快だ。
→現代流ハード・バップ・ピアノのオーソドキシーに則っての結構硬派で敏捷闊達なダイナミック疾駆調のアプローチ、も凛々しく精悍でイイが、反面、バラードでの、一音たりとも無駄のない、慎重に、丹念に一つ一つ音を選んで奥深いリリシズム世界を誠心こめつつじっくり組み立ててゆく、という、そのヨーロピアン・ロマネスクな詩的センスと鮮やかな構成力の卓抜さが、とりわけ絶品。
01. Majority
02. Get Lucky
03. Estate (solo piano)
04. Continuum
05. Fragile
06. 'Round Midnight (solo piano)
07. One For P.B.
08. Wicked Game
09. Overjoyed (solo piano)
10. Body And Soul
Miklós Gányi (piano)
Péter Oláh (bass except 03, 06, 09)
Attila Gyárfás (drums except 03, 06, 09)
2019年録音
レーベル:
澤野工房(Atelier Sawano)
在庫有り
デジパック仕様CD
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