★DreyfusやBeeJazz、Gazeboよりの過去作品群が高い評価を得ていた、フランス・シーンで精力的活動を続ける女性アルトサックス奏者:ジェラルダン・ローラン(1975年フランスのニオール=Niort生まれ)の、今盤は、好評だった前作:「At Work」(2015年Gazebo)と同一メンツの鉄壁カルテットを率いての気合溢れる快編。
★キュッと絞ったような鋭い引き締まり感と、自然で力も抜けた感じのふくよかな丸みや柔らかみ、とが絶妙に共存した、ニュアンス豊かで生鮮度抜群な美味トーンのアルトが、明朗な歌謡フィーリングとバップ的(或いはモード的)ダイナミズム、そして伝統的な渋いブルースの旨味、に彩られた敏活滑脱なハード・ドライヴィング・ブロウ、を精悍かつ軽快に繰り出して、凛々しくも粋な華を成した会心打内容。
★歌心には富むも決して甘すぎず硬派でキリッとした毅然さも絶やさない、ごくストレートアヘッドな現代流ハード・バップ演奏が中々ソリッドに展開され、ハードボイルドとファンキーの間を自在に往来するLay(p)以下リズム隊の、ツボを心得つつフェイント遊撃性にも長けた機動力あるサポートにガッチリ支えられ、また煽られながら、ローラン(as)の、イキのいいドライヴ感と醸熟っぽいコク(=ブルース由来の吟醸味?)に溢れつつ、ひたすら軽やかに舞い泳ぎ、闊歩する、テイスティー・グルーヴィーであり、どこか飄々さをも漂わせた肩肘張らない巧みなげなアドリブ・プレイが、爽快かつ余情深い魅力を放って好調だ。
→ちょっとオールド・ファッションとも云えるバップ・イディオムをストレートに活用したメリハリある立ち回り節や、モーダルなアグレッシヴ傾向、更にはしみじみと哀愁が立ち昇ってくる優しい美旋律フレージング、などをごくナチュラルに掛け合わせて、トータルとしては、内に熱いパッションを秘めながら表向きの風合いはわりかしスマートにスッキリと仕上げられた、所謂「ポスト・バップ」派的なアウトラインが好もしく形作られており、その、上手い按配で肩の力の抜けたソフト・スムース・スウィンギンな、加えて含蓄ある吹鳴のあり様は、何とも味わい豊かで風流でさえある。オリジナル曲の醸し出す、ありそうでどこにもない結構独創的な世界観もGOOD。
01. Cooking 4:17
02. No More Waltz 4:37
03. Next 4:39
04. Boardwalk 4:42
05. The Call 3:04
06. Room 44 4:25
07. Early Bass Master 5:12
08. Day Off 6:20
09. As Is 4:03
10. You And The Night And The Music 3:36
11. Minus One 2:21
Géraldine Laurent (alto saxophone)
Paul Lay (piano)
Yoni Zelnik (bass)
Donald Kontomanou (drums)
2019年3月18,19,20日録音
レーベル:
Gazebo
在庫切れ 可能な限りお取り寄せ致します
デジパック仕様CD
VIDEO