★ヴィンセント・ハーリング(1964年ケンタッキー州ホプキンスヴィル生まれ)、ボビー・ワトソン(1953年カンザス州ローレンス生まれ)、ゲイリー・バーツ(1940年メリーランド州ボルティモア生まれ)、という三世代の、そしていずれもチャーリー・パーカーの心意気とワザを継承するアルトサックスの孤高の覇者3人が、ガッチリとコラボしたセクステットによる、パーカー生誕100周年(来年=2020年)を記念しての、NYC「スモーク」・クラブでのアツいトリビュート・ライヴ編。
★ピタリと息の合ったアルト3本の、厚みがあって力強くも色彩感や爽涼味に富んだアンサンブルが、ファンファーレの如くおおらか&晴れやかに旗めいた後、各人の、ダイナミックでエモーショナルそれでいて洒脱さも満点のソロ活躍が何とも清々しい見せ場を形成してゆく、全編を通じ理屈抜きでスカッとさせられっぱなしの誠に鮮やかな会心打内容。
★概ねビ・バップもしくは純正ハード・バップ的スタイルに乗せての、活劇エンタテインメント路線の鑑!とも云うべきド直球の突撃驀進、がひたすら嬉々溌剌と愉しげに、ハイテンションに続き、リズム・セクションの、ばっちりツボを心得つつ前のめりに疾走し猛烈にスイングするアタッキングなサポート、に上手く煽られながら、フロントのアルト3人の、潔く迷いなく真っ向勝負で躍動しまくり、完全燃焼するアドリブ奮戦が、胸のすくようなパワフルで開放感ある盛り上がりを見せ(→圧倒的カタルシスを齎す!!!)、また、パーカー・ライクなフレージングを基本身上とするアルト陣に対して、モードやファンキーの語法も豊富に盛り込みつつ精悍に拮抗するD・キコスキ(p)の助演が、絶妙の按配で香味アクセントっぽい効果を成しており、これも好印象。
★全体に、フロント3者が雄々しくも和気あいあいとデッドヒート大会に興じるような、テンポのあるエネルギッシュ・スウィンギンな立ち回り趣向がメインとなっていて、スリリング&エキサイティングに瑞々しく昂揚させてくれるが、その一方、銘々のワンホーン・カルテットによる哀愁のバラード演奏も途中3曲登場して、これがまたじっくりしみじみと楽しめる出色の聴かせどころとなっている。
1. Klactoveedsedstene (Charlie Parker) 5:36
2. Bird-ish (Bobby Watson) 6:32
3. Lover Man (feat. Vincent Herring) (J. Davis, R. Ramirez & J. Sherman) 9:25
4. The Hymn (Charlie Parker) 9:50
5. These Foolish Things (feat. Bobby Watson) (J. Strachey / H. Link & H. Marvel) 8:47
6. Folklore (Vincent Herring) 7:22
7. Bird Lives (Jackie McLean) 5:50
8. April In Paris (feat. Gary Bartz) (Vernon Duke / Yip Harburg) 6:45
9. Yardbird Suite (Charlie Parker) 10:52
Vincent Herring (alto saxophone)
Bobby Watson (alto saxophone)
Gary Bartz (alto saxophone)
David Kikoski (piano)
Yasushi Nakamura (bass)
Carl Allen (drums)
2019年8月30,31日,9月1日ニューヨークシティのSmoke Jazz Clubでのライヴ録音
レーベル:
Smoke Sessions
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三つ折りデジパック仕様CD