★当初はヴァイオリンを弾いたがやがてギターに転向し、1933年にファッツ・ウォーラーと邂逅、ウォーラーから多くを学びながらそのバンドのレギュラーとして活躍し、その後、ルイ・アームストロング、チュー・ベリー、コールマン・ホーキンス、ライオネル・ハンプトン、ビリー・ホリデイ、アート・テイタム、テディ・ウィルソンらとも共演、1950年代後期にはキング・カーティスのR&Bバンドのメンバーとなり、1960年に満を持して初リーダー作:「Buck Jumpin'」(Swingville)を録音
。
★音楽活動から離れていた時期も度々あったが、亡くなるまで第一線で燻し銀の如くマイペースな活躍を続けた、黒々としたブルース・フィーリング溢れるコク旨ジャンプ派ギターの逸材:アル・ケイシー(1915年ケンタッキー州ルイヴィル=Louisville生まれ、2005年ニューヨークシティで死去)の、
本盤は、リーダーとしては3rdアルバムにあたる(因みに2ndは1960年Moodsvilleの「The Al Casey Quartet」)、ジェイ・マクシャン(またはミルト・バックナー)らとのカルテットにアーネット・コブやタップ・ダンサーも加わりつつの快演が聴かれる、1973年録音・仏Black and Blue原盤の傑作に、3トラックをプラスしたCD化版の新装再発。限定プレス。
★張りがあって芯のしっかりした厚み&シャープネスも充分な美味トーンのギター(アコースティック)が、ブルース色濃くバネとウネりの利いた、朗々と黒い哀愁を歌うテイスティー・グルーヴィーかつダイナミックなメロディック・プレイを、歯切れよくも適度に荒削りに紡いで渋〜い華を成し、自身のギターに合わせて唸るようなハミング〜スキャット系統のヴォイス技や、まろやかに弾むスイング・ジャズ・テイスト豊かな重みあるピアノ、コク味こってりで肉太くドライヴ感を体現するベース、らもそれぞれしっかり芳醇に彩りを添えた、全編じっくりと地の底へ降りてゆくようなダウン・トゥ・アースなブルージー妙演の連続にノリよく快適に、深々とハマらせる会心の高密度内容。
★ブルースに根ざした漆黒の歌謡フィーリングと、キレよく力強い(スケールも大きな)スイング感、に重点を絞った、シンプル・ストレートな「潔し!」の娯楽活劇的スイング・ジャズ・セッション大会、風の嬉々溌剌たる愉しげな行き方が続き、さりげなくピタリと息の合ったアンサンブル・ハーモニーの美しさ・おいしさも要所要所で魅力的に際立つ反面、ケイシー(g)以下銘々の、腰を据えて伸びやかに躍動するアドリブ奮戦が、スカッと胸のすくような殊の外清々しい盛り上がりを、大豊作ぶりを呈して壮快この上なし。
★ケイシー(g)の、醸熟っぽいコク旨さに溢れながら結構ワイルド&エネルギッシュでもある、ひたすら明朗にバッチリ濃い粋筋メロディーを紡ぎ続ける、イナセであり、ちょっと武骨さも感じさせるさすが練達した語り口がゴキゲンに、勇ましげに冴え渡っており、一方、中盤に登場するA・コブ(ts)の、スムース・ソウルフルで悠々とした、それでいてパンチも利いた幾分か泥臭みもある豪放咆哮、の全く見事な座のさらい様もこれまた痛快。わりかし控えめで堅実しかし含蓄に富んだマクシャン(p)や、力学性全開でパワフルに出張ってくるバックナー(p)、らの助演も確固と光る。
01. ロゼッタ
02. 柳よ泣いておくれ
03. ワン・ウーマンズ・マン
04.アイム・ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト
05. ジャスト・ユー、ジャスト・ミー
06. イフ・ユー・エイント・K
07. アイ・ウィッシュ・アイ・ニュー
08. アイム・ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト (テイク1)
09. プース・カフェ
10. プース・カフェ (テイク2)
Al Casey アル・ケイシー (acoustic guitar)
Jay McShann ジェイ・マクシャン (piano on 01〜04, 08〜10)
Milt Buckner ミルト・バックナー (piano on 05〜07)
Roland Lobligeois ローランド・ロブリジョワ (bass)
Paul Gunther ポール・ガンサー (drums on 01〜04, 08〜10)
Michael Silva マイケル・シルヴァ (drums on 05〜07)
Arnett Cobb アーネット・コブ (tenor saxophone on 05, 06)
Jimmy Slyde ジミー・スライド (tap dance on 05, 07)
1973年録音(1974年フランスBlack and Blue作品)
レーベル:
Solid (Black and Blue原盤)
在庫有り
国内制作・限定プレスCD