★バークリー音大やThelonious Monk Instituteに学び、ジョージ・ガゾーン、ビリー・ピアース、ハービー・ハンコック、テレンス・ブランチャード、ウェイン・ショーターらに師事、卒業後は音楽教職も務めながら数多くのビッグネーム陣と共演を重ね、並行して自己コンボでの演奏も活発化、まるで分身忍者の如くいたるところに出没しては膨大な第一線レコーディングに悉く名を連ね、自己名義でも2006年録音のCTA盤を皮切りに、Criss Cross、Sunnyside、Vegamusic、Contagious Musicから続々と気合の入ったアルバム群を発表して高い評価と人気を得てきた、ここ10年来のNY主流派ジャズ・シーンにおける最重要人物&トップ・ランナーの一人(台風の目か)と云える、
サックス〜マルチリードの逸材:デイナ・スティーヴンス(1978年NYブルックリン生まれのサンフランシスコ育ち)の、今作は、A・パークス(p)、B・ストリート(b)、G・ハッチンソン(ds)、というオールスター的顔ぶれの強力カルテットによる、NYヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ編。
★精悍な締まりっぽさと自然なソフトネスが一体化した、何げにニュアンス濃やかで味わいあるトーンのサックス(テナー中心)が、思索性や憂さを多分に宿しつつ、メランコリック&アンニュイでありダイナミック&アグレッシヴでもあるという、極めて現代的な、情感の襞(ひだ)をセンシティヴに掬い取ってゆくかのような、陰影に富んだビター・テイストのモーダル・バピッシュ・アクション技を滑脱に紡いで、飄々かつピリッとした奥深い華を成し、徹底して苦味走った硬質感みなぎる鋭角的殺陣プレイをビシビシぶつけてくるハードボイルドなピアノや、縦横無尽の機略性に満ちたゲリラ・アタックをカマして揚々たるドラム&ベース、らの攻めたサポートも圧倒的迫真力をもってスリリング&デリシャスに確たる魅力を際立たせた、全体を通じ生々しい緊張感と軒昂な覇気に溢れ、かつおいしさもたっぷりの壮快な敢闘内容。
★非常にパワフルな骨太のド迫力や躍動感がほとばしり、同時に繊細なレイジーさや哀愁的詩情も立ち昇ってくる、一貫して今日感覚の顕示された決して甘くないコンテンポラリー・モード・ジャズ熱演、が流麗かつサスペンスフルに展開され、スティーヴンスの、スケールもデカくタフ&ストロングでありながら、独特のけだるさや不機嫌そうな面持ちをも自ずと並立させた、巧まずして含蓄豊かなアドリブ奮戦が、中々テイスティー・グルーヴィーに冴え渡って快調だ。
→M-BASEファンクを通過した風な、力強くもミステリアス&デカダンな、或いはちょっと不穏で怪しくダークな、スパイスの利いた立ち回りワザ〜ダイナミズム表現、に遺憾なく本領が発揮されているが、反面、一部での、よりオーソドックスでオールド・ファッションなバップ・ブルース的行き方における、スモーキーでしっかり旨口なメインストリーマーぶりにも揺るぎない、堂々とした説得力&芳醇さがあり、興趣は結構多彩。パークスの一切妥協なきシャープ&ソリッドな岩石攻勢も痛快。
1. スモーキング・ガン Smoking Gun
2. タリファ Tarifa
3. ラン Ran
4. コンテイジャス Contagious
5. レディオ-アクティヴ・イヤーワーム Radio-Active Earworm
6. ルージー・グージー Loosey Goosey
7. フェイス・リープ Faith Leap
8. レッスン・ワン Lesson One
9. ブラコニアン・グルーヴ Blakonian Groove
*all compositions written by Dayna Stephens
Dayna Stephens デイナ・スティーヴンス (tenor saxophone on 1, 3, 4, 6, 8) (alto saxophone on 7) (soprano saxophone on 2) (Akai EWI4000s on 5, 9)
Aaron Parks アーロン・パークス (piano)
Ben Street ベン・ストリート (bass)
Gregory Hutchinson グレゴリー・ハッチンソン (drums)
2019年2月23日-24日ヴィレッジ・ヴァンガード(ニューヨークシティ)でのライヴ録音
レーベル:
Core Port
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国内制作CD