★レイ・チャールズやB.B.キングらのサイドを経て1956年にシカゴへ移り、ジーン・アモンズやジョニー・グリフィン、ジミー・スミスらと共演、マックス・ローチのクインテットに加わりニューヨークへ進出して、スライド・ハンプトン、ロン・カーター、ジミー・コブ、ワイルド・ビル・デイヴィスらともコラボ、1963年から翌64年にかけて在籍したマイルス・デイヴィス・クインテットで一躍名を上げ、以降も、ライオネル・ハンプトン、チェット・ベイカー、クラーク・テリー、ホレス・シルヴァー、エルヴィン・ジョーンズ、シャーリー・スコット、シダー・ウォルトン、チャールズ・ミンガス、アーマッド・ジャマル等々、共演ネットワークを強力に拡充しつつ長らく主流派路線一筋に精進を重ねてきた、ハード・バップ・テナーの生ける伝説:ジョージ・コールマン(1935年テネシー州メンフィス生まれ)。
★好評盤:「A Master Speaks」に続くSmoke Sessions第2作となる
今盤は、メンフィス時代のスクールメイトでもあったハロルド・メイバーン、以下の強力リズムを伴ったカルテットによる好編。
★逞しくタイトな隆々さと幾分かユルいソフトネスや粘着感とが渾然一体化した、何とも味のあるトーンのテナーが、ドライヴ感満点のダイナミック&パワフルな、それでいて気負いなげな自然体の悠々さをも呈しつつの躍動的スクリュー・ウェイヴ風ブロウ、を朗々と轟かせて雄々しくもおおらかにコク旨な華を成し、一方、終始キリッと引き締まったソリッドな鋭角的立ち働きで精悍に抑え役を担うピアノの活躍も、テナーとは好対照を成しながら凛々しく余情豊かに魅力を揮った、全編に渡り「大きくスイングし大きく歌う」正々堂々真っ向勝負の邁進ぶりで、スカッと昂揚させてくれる壮快内容。
★徹頭徹尾メロディアス&スインギーでブルース色も濃い、全き正攻法の直球ハード・バップ大会、が溌剌調子で豪快に展開され、和気あいあいの楽しげな親密ムードや温かな人情味っぽさが絶えない道程の中、結構キレ味シャープで敏捷な機動ぶりにより的確にグルーヴ&スリルを醸成する、リズム隊の実にプロフェッショナルなサポートもきららかに際立ち、これに上手く刺激されつつ、コールマン(ts)の、いい意味でわりかしマイペースのレイジーさ〜レイドバック感も垣間見せながらの、ごくナチュラルで悠然とした、さりげなくスケールもデカい開放感ある歌い泳ぎっぷりがバッチリ芳醇に冴え渡ってゴキゲンだ。
→バップやモードの定番イディオムに則って、しかし肩の力は抜いて自由滑脱に伸び伸びと壮大なる渦巻きor大波を描いてゆく風な、さすが貫祿と余裕ある豪放なメロディック咆哮が、ひたすら雄渾でハートウォーミングそしてパッショネートに絶好調の輝きを放っていて文句なし。加えてメイバーン(p)の、ある時はモーダル・アグレッシヴ、ある時は小粋でファンキーな、メリハリの利いた劇的助演も見事にツボにハマッていて(グループ全体への活性剤効果をも果たしている)卓抜。
1. Paul's Call (George Coleman) 6:27
2. I Wish You Love (Léo Chauliac / Charles Trenet & Albert Beach) 6:05
3. Prelude To A Kiss (Duke Ellington / Ned Washington) 8:25
4. Lollipops And Roses (Tony Velona) 6:17
5. East 9th Street Blues (George Coleman) 12:05
6. When I Fall In Love (Victor Young / Edward Heyman) 10:59
7. Along Came Betty (Bennie Golson) 5:54
8. You've Changed (Carl Fischer/ Bill Carey) 10:16
9. Triste (Antônio Carlos Jobim) 6:57
George Coleman (tenor saxophone)
Harold Mabern (piano)
John Webber (bass)
Joe Farnsworth (drums)
2019年5月20日ニューヨークシティのSear Sound Studio C録音
レーベル:
Smoke Sessions
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デジパック仕様CD