★出身地であるコロラド州デンヴァーでの活動(弱冠17歳で自己名義アルバム・デビュー)を経てニューヨークへ進出、ブルックリン・シーンで精力的にライヴを続けている敏腕ドラマー:コリン・ストラナハン(現在30代前半か?)率いるこの鉄壁トリオ(featuring グレン・ザレスキー-p,1987or1988年マサチューセッツ州ボイルストン=Boylston生まれ)は、過去にもこのCapriに「Anticipation](2011年リリース)、「Limitless」(2013年リリース)、といった優れたレコーディングを残していたが、今回は、NYの人気ジャズクラブ:Jazz Standardでの白熱ライヴ編。
★さりげなく機略縦横にして圧倒的なスイング感〜律動性を演出するドラム&ベースの瞬発力&ダイナミズム溢れる半遊撃調サポート、に鋭くプッシュされながら、歯切れよさや硬質性と軽涼感を併せ持った美味タッチのピアノが、バップ、モード、ファンキーなどの極めてオーソドックスな渋め粋筋っぽいイディオムを基調としつつ、明朗で親しみやすくも旨口な歌謡的節回しも十二分に絡めて、しかしトータルとしては巧まず間の妙も活かされた、音数の多すぎない適宜簡潔(簡素?)で中々含蓄あるアジな流れに仕上げ、あくまで余裕を残して飄々と風流に華を成した、何とも瀟洒で余情豊かな快投内容。
★和気あいあいのインティメイトな寛ぎや温もり感と、力強く敏活溌剌なノリのよさやスリル、とが自然に一体化した、衒いなし・ケレンなしのごく正攻法な直球娯楽的ハード・バピッシュ快演、が嬉々としてハートフルに展開され、硬派で勇壮なアクションの迫真さの一方、気さくそうで取っ付きやすい人情味にも溢れた、愉しさ抜群、旨みも満点の道程の中で、主役を担うザレスキー(p)の、肩肘張らぬ自然体でありながらきちんと作法に適った、明るくも程好い陰影の見え隠れする吟醸的な語り口が、「シブ爽やか」に冴え渡ってゴキゲンだ。
★ハード&ソリッドそしてスクエアーな力学性を強めた翳り濃い殺陣風の鋭角的立ち回りワザや、高音のブロック・コードを上手く使った小粋なファンキー・リラックス節、更には、幾分かエヴァンスに接近したような繊細でマイルド・ロマンティックな耽美的バラード表現など、どこまでも王道を行く、それでいて決して噛み砕きすぎない一定の威風っぽさを保った文脈を終始軽やかに、悠々と創出して後には結構味わい深い余韻も残る、という、その清々しくも何げに質素でもあり懐の広いストーリーテリングは好感度大。
1. Forecast
2. Sullivan Place
3. Waltz For MD
4. All The Things You Are
5. Chorale
6. On The Road
Glenn Zaleski (piano)
Rick Rosato (bass)
Colin Stranahan (drums)
2018年8月7-8日ニューヨークのクラブ:Jazz Standardでのライヴ録音
レーベル:
Capri
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デジパック仕様CD