★お馴染みお洒落で旨口なヴォーカル&ベースの人気才媛:ニッキ・パロット(1970年オーストラリアのニューキャッスル生まれ、1994年よりニューヨーク在住)の、今回は、ハリー・アレン(ts)、ギル・ゴールドスタイン(acc)、ジョン・ディマルティーノ(p)ら、センスよき腕利き揃いの変動的小コンボ体制(パロットは10曲で歌う)による、米ニューヨークと仏パリに因んだ名曲集。
★清涼味とスウィートな潤い、そしてクリーンな透明感を湛えた、きめの細かいトーン高めのキュート・ヴォイスによる、軽妙瀟洒でありながらその一声一声に丁寧にニュアンスの込められた、テンダネスとロマンティシズム溢れる優しい抒情指向の演唱がしっとり甘美に、鮮度も抜群の大層瑞々しい華を成し、中々重厚でドライヴ感みなぎるベースや、スムース・スモーキーにして豪快武骨そうなパンチも利いたテナー、ミュゼット的な哀愁をじんわり滲ませるアコーディオン、イキでイナセでコクのあるファンキー・テイスティーなピアノら、インスト・サイドの美味さ満点な活躍にもバランスよくスポットが当てられて的確にメリハリや色彩感が齎された、小気味よくもホッと温かに安心できる極めて柔和な快適内容。
★インティメイトな「なごみ」気分と洒脱なウィットっぽさに貫かれた、ごく親しみやすく居心地のいい(そして最高に趣味のいい)ラウンジ・ムードも漂う寛ぎ小唄セッションの王道、的なハートウォームでシャレっ気一杯の実に楽しそうな行き方が続くが、そこで繰り出されるヴォーカル&演奏とも、ひたすら明快平易でいて非常に繊細で端正な機微を感じさせる、気品&節度を決して失わないマイルド&センシティヴこの上なしの妙演の連続、となっており、繰り返し聴くほどにまた一段と味わいを増すような、雅趣とも云うべき深い余情に富んだ展開は何げに全く見事。
★パロット(vo,b)の、練達していつつも真摯な清新さ・誠実さを終始絶やさない、可憐でガーリッシュで涼やかな小粋リラクシング・ヴォーカルと、好対照に骨太くダイナミック・グルーヴィーで結構精確巧緻なベース・プレイ、がいずれも誠に鮮麗なる、(適度に)慎ましく華やいだ冴え渡り様を見せていて卓抜で、また、滑脱かつ超芳醇なくすんだ渋旨ブロウで悠々と座をさらうアレン(ts)や、香り高く傑出した生鮮味を絶妙のアクセント効果っぽく振りまくゴールドスタイン(acc)、らの助演もばっちりデリシャスに光っている。
1. I Love Paris
2. There's A Boat Leaving Soon For New York
3. I Will Wait For You
4. On Broadway
5. The Brooklyn Bridge
6. If You Go Away
7. Under Paris Skies
8. I'll Take Manhattan
9. Broadway
10. April In Paris
11. Do You Miss New York
12. Slaughter On Tenth Avenue
13. If You Love Me (vocal & accordion duo)
14. La Mer
Nicki Parrott (bass except 13) (vocal on 1,3,5,6,7,8,10,11,13,14)
Harry Allen (tenor saxophone except 6,7,13,14)
Gil Goldstein (accordion on 1,3,6,7,13,14)
John DeMartino (piano except 1,13)
Alvin Atkinson (drums except 13)
2019年アメリカ作品
レーベル:
Arbors
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デジパック仕様CD