★1960年代後期より主に米ウエストコースト・シーンで活躍してきた抒情派寄り正統モダン・ピアノの最高実力者の一人であり、また歌伴の名手、オーケストラ物の名アレンジャー&コンダクターとしても斯界の高い評価を得るヴェテラン重鎮:アラン・ブロードベント(1947年ニュージーランドのオークランド=Auckland生まれ、1966年渡米)の、
今回は、ハーヴィー・S(b)らとのシンプルなピアノ・トリオによる、非常にバップ色の強い鍛え抜かれた達人芸が存分に堪能できる逸編。
★骨太くもキレ味シャープで一音一音がクッキリとクリアーな輪郭を呈する、角張ったストーン風タッチのピアノが、中々硬質に確固とダイナミズムを体現しながら、渋いニガみや濃い暗影を含んだ哀愁的情景を力学性も充分に活写して、決して甘くないが豊かなコクと躍動感溢れる独自の魅力を泰然げに放った、極めて堅牢にして風流な余情に富んださすがの熟練さ・奥深さを感じさせる、揺るぎない会心打内容。
★硬派で雄々しく力強くも粋な歌心充分の、絶妙に剛柔の均整のとれた全き正攻法なハード・バップ快演が精悍毅然と、それでいて優しい温もりあるハートフルさをももって真っ直ぐに展開され、ベース&ドラムの、キッチリとツボを心得つつ結構芸の細かいフェイント的仕掛けも過不足なく盛り込んでくる何げに表情多彩なサポート、にガッチリ支えられ、また鋭く煽られて、ブロードベント(p)の、一貫して骨芯のしっかり据わったいい意味でスクエアー即ち四角四面ともとれるブレのないアドリブ・プレイ、〜卓越した語り口の妙が、燻し銀っぽくシブめにちょっと焦げた(orくすんだ)ようなテイスティー・スモーキーな翳りある冴え渡り様を悠々示して、誠に見事。
→パウエル型の伝統的なバップ・イディオムをあくまで基調とし、堅固で一徹な殺陣風の立ち回りワザを迷いなく連発してわりかしオールド・ファッションな、昔気質のグルーヴや深い旨味をシカと醸成しつつ、並行して粋な哀歌風のメロディック・フレーズ或いはまたエヴァンス・ライクなアクション・バラード調のアプローチも程好く盛り込み、より瀟洒でロマンティックな風情も巧まず立ち昇らせる、という、トータルとしてはごくオーソドックスで渋筋旨口な確たるアウトラインに仕上げられた、そして後には何とも云えぬ滋味っぽい余韻が残るその、自然体でいて雅趣に富んだ鳴音のあり様は、底知れず味わい豊かで、蠱惑的でさえある。随所で朗々と唄いまくるハーヴィー・S(b)の豊饒なる活躍もgood。
1. Clifford Notes 8:44
2. Minority 8:18
3. I Fall In Love Too Easily 7:10
4. Continuity 8:32
5. Crazeology 5:09
6. On A Misty Night 5:40
7. Waltz Prelude 6:28
8. 317 East 32nd Street 4:39
9. Fine And Dandy 7:38
Alan Broadbent (piano)
Harvie S (bass)
Billy Mintz (drums)
2018年4月&11月 RVS Studio(Alan Broadbentの自宅にあるプライベート・スタジオ)録音
レーベル:
Savant
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