★レイ・ブラウン・トリオやジェフ・ハミルトン・トリオで好評を博し、当Capriレーベルから2014年に出た自己名義のトリオ作:「Larry Fuller」もロングセラーとなっていた、
キャリア豊富な正統派の人気ピアニスト:ラリー・フラー(1965年オハイオ州トレド=Toledo生まれ)の、今回もトリオによる(途中ソロ・ピアノも2曲)これまたアジな快編。
★骨太く重心のしっかり据わった、硬質で歯切れのいいストーン風タッチのピアノが、スクエアー・バピッシュかつアーシー&ソウルフルな旨味濃いグルーヴ節をノリノリで唄ったり、より繊細で耽美的なエレガンス溢れるロマンティック・フレージングをじっくり紡いだりと、程好い振り幅を示しながら一貫して親しみやすくメロディアスな抒情指向の明快プレイを流麗に展開して、清々しく爽やかでシブみも充分の誠にテイスティーな華を成した会心打内容。
★敏活にスイングする安定律動的ノリのよさと、小粋で瀟洒な軽みやリラックス感覚、そして取っ付きやすくも趣味のいい晴朗な歌心、に揺るぎなく貫かれた、娯楽派・リリカル派ハード・バップ系ピアノ・トリオの王道を悠々と突き進む、元気溌剌にしてシャレっ気充分の和やかで愉しげな行き方が続き、ベース&ドラムのばっちりツボを心得た何げに芸も細かい的確堅実なサポートに頼もしく支えられながら、フラー(p)の、決してリキまず自然体で伸び伸びと得意ワザの披露に終始して揚々たるその、衒いを排し真心に溢れたセンスよく煌くような美味なるアドリブ妙技が、一定の節度をキッチリもって簡潔に、ソフィスティケートに、またハートウォーミングに冴え渡って全く鮮やか。
★→コードワークを活かしたイナセなファンキー小唄調や、きめ細かく香り豊かに哀愁浪漫を映し出す端正なバラードor寛ぎボッサ路線、ピーターソンをファンク化したが如きノリにノッたR&B的熱演など、適度に興趣を散らしつつ、しかしあくまでその根底には伝統的なバップ文脈が揺るぎなく息づいており、そうした、本性はいい意味で四角四面、いい意味で融通の利かなそうな一徹職人気質っぽい鳴音キャラのあり様は、好感度満点、吟醸味も満点だ。
1.
Fried Pies
2. Overjoyed
3.
Lined With A Groove
4. Jane's Theme
5.
The Mooch
6.
How Long Has This Been Going On
7.
Cubano Chant
8. Mona Lisa
9. Bossa Beguine
10. Bossa Nova Do Marilla
11. Never Let Me Go
12.
Got My Mojo Workin'
Larry Fuller (piano)
Hassan Shakur (bass)
Lewis Nash (drums)
2019年アメリカ作品
レーベル:
Capri
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デジパック仕様CD