★大阪音楽大学作曲科在学中よりプロ活動を始め、やがて東京に移り、日野元彦や佐藤允彦のサイドを務めた後、90年代初期には米ニューヨークへ拠点を移して、主流派シーン最前線の幅広い人脈の中で旺盛に活躍、2004年には日本へ本拠を戻し、以来、自己グループの他、多方面で益々多忙に辣腕をフル発揮、ベイブリッジやM&Iよりの作品群で高い評価を得てきたオールラウンドなベースの実力者:井上陽介(1964年大阪府豊中市生まれ)の、今回は、
若手のピアノ&ドラムを抜擢した新生ピアノ・トリオによる一編。
★バネを利かせて何げに朗々とよく歌うウォーム・ドライヴィングなベースや、シャープ&スピーディーにシャキーン!と突きor斬り込みワザを炸裂させるドラム、らのアタッキングなサポートにガッチリ支えられ、刺激されながら、小石を転がすような、輪郭もクッキリした硬質タッチのピアノが、スクエアー・バピッシュかつ小唄風のイキな美メロ・センス満点の流麗敏活プレイを軽やかに紡いで、明快で渋いゴキゲンな華を成した、ノリノリでいてホッと安心できるハートウォーミングな会心打内容。
★徹頭徹尾メロディアス&スインギーそしてブルージーな、全き正攻法の娯楽活劇的リリカル・バピッシュ快演が和気溌剌と、おおらかに展開され、開放感やダイナミズムとインティメイトな寛ぎが自然に一体化した、何とも小気味よい道程の中で、随所に浮かび上がっては雄弁で旨口な充実のソロを嬉々として披露する井上(b)の活躍も、温かで頼もしい、包容力溢れる出色の妙味を際立たせつつ、一方、実質的主役を担う武本(p)の、中々端正で歌心に満ちた、極めてオーソドックスなアドリブ技が、実に清々しく晴れ晴れとした爽やかな冴え渡り様を見せて絶好調だ。
★モダン・ピアノの伝統にしっかり根を下ろしての、燻し銀的バップ・イディオム活用や小粋な吟醸的寛ぎフレージング、で結構シブくもウォームに魅了する他、エヴァンス以降のモード系リリカル・ピアノの典型を示した繊細なロマンティック節や、ちょっとマッコイの影もチラつく熱血さを孕んだ重厚(でアグレッシヴ)なダイナミズム攻勢、にもこれまた清新・生鮮なる輝きを見せ、それでいてトータルとしては巧まず絶妙の按配に抑制された、含蓄と節度ある鳴音キャラに悠々仕上げられており、その平易にしてさりげなく懐の広そうな趣は卓抜。
01. 星影のステラ
02. ラヴ・ウォークド・イン
03. 今宵の君は
04. スパルタカス 愛のテーマ
05. ニュー・ストーリーズ
06. ディア・ダディ
07. 神のみぞ知る
08. ビッグ・フット
09. ティーン・タウン
10. ブレイム・イット・オン・マイ・ユース
11. ノー・ブルース
武本 和大 (piano)
井上 陽介 (bass)
濱田 省吾 (drums)
2019年日本作品
レーベル:
M & I
在庫切れ
可能な限りお取り寄せいたします
国内制作CD