★ウディ・ショウ(tp)もフィーチュアされた(※本作では3曲のみ参加)、ルイス・ヘイズ(ds)(1937年ミシガン州デトロイト生まれ)とジュニア・クック(ts)(1934年フロリダ州ペンサコーラ生まれ、1992年ニューヨークシティで死去)の双頭クインテットによる、1976年3月11日、旧西ドイツ-ハンブルクのOnkel Pö's Carnegie Hallでの公演の模様を捉えた音源を、独Jazzlineレーベルの人気名物企画:Onkel Pö's Carnegie Hall未発表ライヴ・シリーズの一つとしてディスク化した、CD2枚組の強力発掘アルバム。
★収録されている全7曲のうち、冒頭の「All The Things You Are」1曲のみは、過去HighNote盤「Woody Shaw, Louis Hayes / The Tour Volume Two」(HCD 7308)で出ていた(但、ひょっとして短縮ヴァージョンだっかかも?)が、残りの6曲はすべてこれが初登場となる完全未発表音源。
★ドスを利かせてドシャバシャと激烈に猛爆プッシュしてくる雷神の如きドラムの大攻勢、に上手く突き上げられ、煽られながら、豪快かつアグレッシヴに咆哮するテナーや、ピリッと硬質に苦味走ったハードボイルドなトランペット、ブルース色濃いファンキー・ソウルフルなピアノ、らがいずれも適度に荒削りで前のめりな悔いなき完全燃焼ぶりを見せて、圧倒的ド迫力の鮮烈なる見せ場を繋いでゆく、全編を通じて清々しいまでの加熱沸騰型昂揚感と濃い旨味が堪能できる敢闘内容。
★精悍軒昂な猛々しい覇気が隅々までみなぎった、ひたすらエネルギッシュ&エモーショナルな硬派モーダル・バップ熱演が生々しくも雄渾げに展開され、背後から自在苛烈に容赦なく遊撃〜絨毯爆撃してくるヘイズ(ds)の、中々ゲリラティックな渾身アタック!、も絶えず頼もしげに際立つ中で、フロントに入れ代わり現れる銘々の、剛健武骨なパッションがハジけるような、そしてまたこってり芳醇なコクをも滲ませつつのソロ奮戦が、実にエキサイティング&テイスティーに、スケールもデカくおおらかな大豊作ぶりを呈して壮快だ。
★クック(ts)の、バップ・テナーの伝統をしっかりと汲んだスモーキー・グルーヴィーで渋いウマみたっぷりの結構しみじみした醸熟ブロウと、よりモード色濃く武闘的で荒々しい獰猛性や野性味を露わにした大暴れの吠えっぷり、とをさりげなく的確に使い分けたドラマティックな活躍が、とりわけ傑出した懐深い魅力を悠々揮いきっており、また、ショウ(tp)の、甘さを抑えたビター・スパイシーで凛としたキレ味鋭い立ち働きや、マシューズ(p)の漆黒ソウル溢れる吟醸的美味さを湛えつつ、同時に疾走感にも富んだパッショネートな突撃驀進、といった辺りもそれぞれ鮮麗・清新に独自の妙味を放って、道程は巧まず非常に密度の高い、全くアザやかな仕上がりとなっている。
CD1:
1. All The Things You Are (22:46) [SideA]
2. When Sunny Gets Blue (12:34) [SideB]
3. Moontrane (19:09) [SideC]
CD2:
1. Pannonica (11:29) [SideC]
2. Ichi-Ban (18:20) [SideB]
3. Moment To Moment (17:36) [SideD]
4. Four For Nothing (13:06) [SideD]
Woody Shaw (trumpet on CD1-#1, CD1-#3, CD2-#2 only)
Junior Cook (tenor saxophone)
Ronnie Mathews (piano)
Stafford James (bass)
Louis Hayes (drums)
1976年3月11日(旧西)ドイツ-ハンブルクのOnkel Pö's Carnegie Hallでのライヴ録音
レーベル:
Jazzline
在庫有り
2枚組CD