★16歳からプロとして活動し、(新)グレン・ミラー・オーケストラや(新)トミー・ドーシー・オーケストラでの活躍を経て、アルゼンチンのブエノスアイレスへ渡り、同地シーンで8年間プレイ、現在はアメリカに舞い戻ってフロリダ州セントピーターズバーグ(St. Petersburg)に住み、幅広い人脈の中で多角的に活動しているという、確かな実力を持つ正統派トランペッター:ジェイムズ・サッグスの、本盤は、大御所テナー:ヒューストン・パーソンを迎えた2管フロントのクインテット基本でのフレッシュな快作。
★抜群の張りとキレを呈し、明晰朗々と伸びやかに響き渡る眩いほどなクリアー・トーンのトランペットが、ひたすら親しみやすい歌心と硬派なバップ魂そして吟醸的ブルース・フィーリングをストレートに投影した、晴れやかに青嵐が吹き抜けるかのような美メロ満載の快活ブロウをハキハキと紡いで、文句なしに清々しくシャンと背筋の伸びた凛々しげで爽やかな華を成し、また、こってり渋くてソウルフルで剛健豪快でもあるテナーや、抑えを利かせて中々端正に立ち居振る舞う作法に適ったピアノ、らの助演もバッチリ的確にツボにハマッて好印象を残す、ノリノリでいてホッと安心できるウォームネスにも溢れた何とも心地よい会心打内容。
★徹頭徹尾単純明快でメロディアス&スインギーな、迷いなく直線コースを突き進むごく平易で陽気で取っ付きやすい人情娯楽的ハード・バップ大会、が嬉々溌剌と愉しげに、おおらかに、和気あいあいムードで展開され、サッグス(tp)やパーソン(ts)の、肩の力を抜いて伸び伸びと自然体で哀歓を活写する、衒い(やリキみ)なくもしっかり腰の据わったソロ奮戦が極めて豊饒なる、そして温かな盛り上がりを見せて、全くゴキゲンだ。★サッグス(tp)の、シャープでピーンと張った精悍さと、優しくまろやかに包み込むようなマイルド感・人肌感、を交差させつつどこまでも輪郭明瞭にメロディック節を歌い上げる、そのバピッシュでいてちょっとスイング系にも通じるような、元気一杯かつハートウォーミングな吹鳴のあり様が、実に誠実そうで人情味もたっぷりの、一本ビシッと芯の通った確固たる魅力を泰然と揮いきっており、一方パーソン(ts)の、一ソロイスト、一インプロヴァイザーに徹して意気揚々と、悠然と咆哮する、ハード・ドライヴィングで超芳醇コク旨この上なしの躍動ぶりもさすが絶好調。何げに結構濃い口のダウン・トゥ・アース技を繰り出すハリス(p)や、粘っこくホット・スピリチュアルに迫るワシントン(b)もナイス。
01. When I Grow Too Old To Dream
02. Laura (quartet)
03. The Night We Called It A Day
04. But Oh, What Love (quartet)
05. Be My Love
06. Detour Ahead
07. My Baby Kinda Sweet (quartet)
08. The Ripple
09. It Shouldn't Happen To A Dream
10. Blame It On My Youth
11. Rachel's Blues
12. You're Gonna Hear From Me (solo trumpet)
James Suggs (trumpet)
Houston Person (tenor saxophone except 02,04,07,12)
Lafayette Harris (piano except 12)
Peter Washington (bass except 12)
Lewis Nash (drums except 12)
2018年作品
レーベル:
Arbors
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デジパック仕様CD