★ストレートアヘッドにしてラディカルな進取性にも富んだ、J-ジャズ界を代表するモダン・トランペットの筆頭花形名手:日野皓正(1942年東京生まれ;当時は東京府)の、いよいよ脂も乗りに乗ってきた幾度目かの絶頂期=70年代初頭、に次々と連発リリースされた「キャニオン4部作」のこれは3作目にあたる、前作に続いてレジー・ワークマン(b)も再び参画した馴染み連の他、今回は植松孝夫(ts,bcl)や今村祐司(cga)も新たに加わって、より重層性やドッシリ感を増した更なる白熱敢闘が展開される、1970年11月〜12月(日本)録音の傑作が、限定プレスの紙ジャケ新装版で待望の再CD化。
★中々強力な弾性〜バウンド跳躍感を呈しつつ重厚かつ敏捷に、そしてパワフルにドライヴする肉太ベースや、ブルージーに泣きを利かせてくるギター、荒々しくワイルドに爆走するピアノ(orエレピ)、らがたたみかけるように沸騰的昂揚感を醸成する中、粗目で強靱げな陰影濃いトーンのトランペットが、起伏激しく超ダイナミックに、それでいて結構ダウン・トゥ・アースな旨口ソウル・フィーリングもチラつかせての疾風迅雷的大アクション・プレイ!、をソリッド&エネルギッシュに繰り出して勇猛剛毅なる華を成した、全体として、極めてスリリング&パッショネートに烈々と揺さぶりをかけてくるが如き圧倒的なエキサイティング編。
★リズム・スタイルは刻々と変移して生々しく鋭いサスペンスを盛り上げ、またこの時代ならではのリズミカルで半ダンサブルなグルーヴ感も自然に醸し出されるが、そうした中で繰り出される日野皓正(tp)以下銘々の即興ワザは、ひたすらハードボイルドでストレートアヘッドな硬派モーダル・バップの王道を行く一片のブレもない堂々たる、雄渾たるもので、各人が自由奔放に暴れ回っているようでありながら、それぞれが何げに緻密に的確な役割を果たしているそのグループ表現の精巧さと、腰を据えて悔いなく伸びやかに完全燃焼するソロ・リレー合戦の卓抜な盛り上がり〜豊饒ぶり、とでしっかり濃密に興奮させ、愉しませてくれる。
★とりわけ日野皓正(tp)の、アツく猛々しい野性をギラギラにみなぎらせ、しかし同時に一定の落ち着きや余裕をもバッチリ湛えた、凛々しくも懐深い泰然(かつ毅然)たる語り口が、傑出して鮮やかな冴え渡り様〜巧まざる練達具合を見せていて、全く見事。わりかしアグレッシヴ&ソウルフルに絡んでくる植松(ts,bcl)の活躍も大いに魅力的。
1. A パート A Part
2. オード・トゥ・ワークマン Ode To Workman
3. ビー・アンド・ノゥ Be And Know
日野 皓正 (trumpet, flugelhorn)
植松 孝夫 (tenor saxophone on 1,2) (bass clarinet on 3)
杉本 喜代志 (guitar)
市川 秀男 (piano, electric piano)
レジー・ワークマン Reggie Workman (bass)
日野 元彦 (drums)
今村 祐司 (conga on 1)
1970年11月1日,11月8日,12月3日 T.S.C.(日本)録音
※原盤:Canyon Records / Love Records CAJ-1005
レーベル:
Octave-Lab (Deep Jazz Reality)
*オリジナル発売:1971年
*新規日本語解説付き、2018年最新デジタル・リマスター
*オリジナルLPに忠実なA式見開き紙ジャケット、限定生産商品
*監修・解説:尾川雄介
在庫有り
国内制作・限定プレス・W紙ジャケット仕様CD