★1996年に作編曲家のヘンク・ムトヘールトを中心としてオランダの実力派精鋭陣が結集して発足、アムステルダムを本拠としつつ国際的な活動を続け、様々に趣向を凝らした過去のアルバム群(Via、Challenge、Munich、55、JOC他)にも高い評価を集めてきた強力モダン・ビッグ・バンド:ジャズ・オーケストラ・オブ・ザ・コンセルトヘボウ。
★今回は、近年実質的リーダーを務めているデニス・マックレルと古株:ロブ・ホースティング、の2人が指揮者・アレンジャーを担っての2枚組の力作。
★ピタリと息の合ったダイナミックでカラフルそしてゴージャス感溢れる端正なホーン・アンサンブルが、パンチを利かせつつ鋭敏に轟いて、奥深くもスケールの大きな背景音響を形成する中で、コク味こってりのソウルフルなテナーや、ピリッと背筋を伸ばしてキビキビ立ち働く硬質トランペット、バピッシュ&アーシーなシブ〜い吟醸味を立ち昇らせるギター、熱気みなぎるモーダル・エネルギッシュなピアノ、らが腰の据わった伸びやかなリレー合戦を嬉々溌剌げに紡いで、色とりどりで旨味満点の鮮麗なる見せ場を創出してゆく、実に爽快かつ芳醇な昂揚感が満喫できる会心打内容。
★一貫してメロディアスでスウィンギン&リズミカルな、現代流モダン・ビッグ・バンドの正統らしい、娯楽活劇調のスカッとした行き方が続き、何げに上手く練り上げられたアレンジ面〜音響設計面にも瑞々しい魅力をバッチリ際立たせる一方、各人の、ハード・バップ色濃く歌心満点の極めてストレートアヘッドなアドリブ奮戦が、ひたすらフレッシュ&デリシャスに大豊作ぶりを呈して全くゴキゲンだ。
★中でも、ブレなくビシッと確たる骨芯の通った堅牢そうなトーンで、チョイ殺陣っぽい硬派な立ち回りに終始する燻し銀的渋味一杯のギターや、武骨にして超旨口な醸熟の妙味を悠々振りまくテナー、ウォーム&ファンキーにイキイキと遊泳闊歩するおぼろなトロンボーン、波乗り調子の軽やかな立ち働きで誠に心地よい爽涼感を漂わせるクラリネットやアルト、勇猛熱血な雄々しきダイナミズム攻勢で全体をキリッと引き締める毅然げなピアノ、辺りがとりわけおいしさも存在感も濃厚でインパクト大。
CD 1
1. Shortcut
2. Olivia's Dance
3. English Heart
4. Jane Street, 2 AM
5. Sixmas
6. Swarms
CD 2
1. Para Poli
2. Ataraxia
3. The Ninth Planet
4. A Minor Confusion
Dennis Mackrel (conductor, arranger)
Rob Horsting (conductor, arranger)
他
2018年オランダ作品
レーベル:
JOC Records
在庫有り
2枚組CD