★1976年カナダのヴァンクーヴァー生まれ、ほどなくアメリカへ移ってサンタモニカ(カリフォルニア州)で育ち、やがて西海岸での活動を経て現在はNYブルックリンを拠点に活躍、SunnysideやMotema Music他よりのアルバムが高い評価を得ていた、現代テナーサックスの逸材:ベン・ウェンデル。
★今盤は、既にYouTubeの動画配信で大きな反響を呼んでいた本命プロジェクト:「The Seasons Project」(動画版では1曲毎に相方を違えた豪華な顔ぶれによる連作デュオ企画であった)、をクインテット編成(ギラッド・ヘクセルマン-g、アーロン・パークス-pら参加)による新たなアレンジで再演した勝負作。
★現代感覚溢れるリズミカルなビートの上で、滑脱自在かつダイナミックにエモーションを活写する熱気を孕んだ軒昂なるテナーや、ある時はクール・スマート、ある時はメカニカル、またある時はロック風に、と刻々趣を違えるギター、抑えを利かせたソリッド&スクエアーそれでいて耽美的ロマンティシズムも奥深げに仄めかせるピアノ、らが色彩感豊かにドラマティックで多層的な見せ場を形成してゆく、瑞々しい感動に満ちた会心打内容。
★歯切れのいい半舞踏的グルーヴ感と、ちょっとフォーキーっぽかったりもする独特の牧歌的詩情、に貫かれた極めてコンテンポラリーなリリカル指向のモード・ジャズ快演、が流麗に展開され、ノリノリにしてフェイント的機略性にも長けたベース&ドラムの中々芸の細かいバックアップ、に上手く刺激されながら、各人の清新な意気をみなぎらせた個性も充分のソロ敢闘が、カラフル&デリシャスにゴキゲンな豊作ぶりを見せる。
★ウェンデル(ts)の、バピッシュ&モーダルなストレートアヘッド・タイプのアクション節や、よりキャッチーでポップな歌謡的メロディック・フレージング、ファンク的なグルーヴ技、更にはちょっとアンビエントっぽくもある幻想的・内省的アプローチ、などを自在に織り混ぜつつ流れるような軽やかさで歩を進めてゆくその、リキみなき自然体調子を保ったいかにも今日流らしい表情多彩な舞い泳ぎ様、が全編を通じて実にフレッシュそしてテイスティー・グルーヴィーな魅力を揮いきっており、一方、ヘクセルマン(g)の縦横無尽で変幻なる(かつスパイシーな)余裕の暗躍や、パークス(p)の折り目正しい構成的立ち働き、といった辺りも各々アクセント効果抜群にピタリと絵にハマッていて好印象。
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Ben Wendel ベン・ウェンデル (tenor saxophone,bassoon #1,3,7,12)
Gilad Hekselman ギラッド・ヘクセルマン (guitar)
Aaron Parks アーロン・パークス (piano)
Matt Brewer マット・ブリューワー (bass)
Eric Harland エリック・ハーランド (drums)
2018年作品
解説:柳楽 光隆(Jazz The New Chapter)
レーベル:
Core Port
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国内制作CD