★益々絶好調な貫祿の快進撃を続ける人気黒人ピアニスト:サイラス・チェスナット(1963年メリーランド州ボルティモア生まれ)の、今回は新トリオを率いての、選曲もバラエティーに富んだ意欲みなぎる一編。
★キレや硬角質っぽさと流麗潤滑さが自然に併合された、艶のある中々きめ濃やかで端正なクリアー・タッチのピアノが、ある時は粋で渋い小唄的哀愁情緒やリラクゼーションを軽妙に歌い、ある時はジェントル&エレガントに半古典指向っぽい荘厳な様式美を粛々と体現、またある時は熱っぽくダウン・トゥ・アースに得意の黒いファンキー節で豪快朗々とクライマックスを飾る、という、メリハリの利いた表情多彩な旨口プレイを快活に紡いで、フレッシュ&テイスティー・グルーヴィーに座を賑わせた、何げに熟練なる快投内容。
★曲毎に多様多彩な変転を見せる、アレンジ&構成面もしっかり練られた、しかしチェスナットの動静には絶えずワンポイントの余裕や肩の力の抜けたマイペースっぽさ、が好もしく感じられる、緩急自在のドラマティックな現代流正統筋ハード・バップ演奏、がイキイキと展開され、ベース&ドラムの瞬発力ある、そしてキッチリとツボを心得た堅固なサポートに頼もしく支えられ、ノセられて、チェスナット(p)の、ムラなく無駄なき簡潔にして余情豊かな、さすが懐の深いアドリブ妙技が、ひたすら悠々と軽やかに円熟した冴えを見せて爽快だ。
→ゴスペル〜スピリチュアル系統の黒くおおらかな吟醸味&牧歌性を全開させたハートウォーミング節や、クラシックに接近しつつも持ち前のアーシーでソウルフルな味つけを決して忘れないユニークな旨口サロン調、モーダルでアグレッシヴな熱血さや疾走感を孕んだ雄渾ロマン路線、瀟洒でイキなファンキー色に彩られた寛ぎ曲あるいはムードあるボサノヴァ風など、多角的でいて終始一貫全くブレのない、「オール・チェスナット・カタログ」とも云うべき堂々たる会心名演がトントン拍子の快テンポで連続する充実作!!!
1. Golliwog's Cakewalk 5:02
2. Darn That Dream 5:06
3. Gymnopedie No.1 6:15
4. Entre Cloches 5:44
5. Jimbo's Lullaby 5:26
6. Father Time 5:29
7. Lord I Want To Be A Christian 4:28
8. Son Binocle 4:04
9. Smoke On The Water 4:33
10. Gnossienne No.1 6:57
11. Gymnopedie No.3 4:07
12. Turkish Rondo 3:37
13. Prayer For Claudine 5:13
Cyrus Chestnut (piano)
Eric Wheeler (bass except 7,13)
Chris Beck (drums except 7,13)
2018年4月29日ニューヨークシティのSear Sound - Studio C録音
レーベル:
HighNote
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