★2013年のモンク・コンペティションのサックス部門で準優勝し、出身地のニューヨークを拠点に多角的に活動、音楽教職者でもあるテナーサックスの若手俊英:サム・ディロンの、ピーター・ザック(p)、ビリー・ドラモンド(ds)らとのワンホーン・カルテットによる一作。
★締まりと滑らかさが絶妙に一体化した旨味あるトーンのテナーが、ハード・ドライヴ感満点で中々音数多くもあくまで流麗に、渦巻きウェイヴを描くような瑞々しい、そして力強いブローイングをイキイキと紡いで、晴朗かつ芳醇なる華を成し、余裕と落ち着きに溢れたスクエアーなピアノの助演もバッチリ渋い彩りを添えた、ひたすら正攻法な邁進ぶりで壮快に昂揚させてくれる好演内容。
★硬派で勇猛それでいて歌心にも事欠かない、至極真っ当な現代流ハード・バップ熱演が精悍溌剌げに展開され、機敏&闊達に抜群のスイング感を醸成するドラムやベースのツボを心得たバックアップ、にしっかりと支えられ、また煽られながら、ディロン(ts)やザック(p)の、腰を据えて伸びやかに躍動する極めてストレートアヘッドなアドリブ奮戦が、文句なくスカッとした清々しくおおらかな盛り上がりを呈してゴキゲンだ。
★ディロン(ts)の、エリック・アレクサンダー辺りにもどこか通じるところのある、グリフィン〜コルトレーン系統のきりもみ(渦巻き)アクション・スタイルを得意の根幹としながら、しかし、そうした武骨でダイナミック&アグレッシヴなイメージの反面、並行して、肩の力の抜けた風なちょっとけだるめのリラクゼーションも同時に漂わせる、という、何げにメリハリがあって巧まずバツグンのバランスに仕上げられたその、堂々雄渾であり悠々泰然っぽさも備わった吹鳴のあり様は「コク旨」この上なしで、一方ザック(p)の、迷いなく一徹に殺陣風の立ち回りを貫く職人芸っぽい活躍も、これまた得難い燻し銀的魅力を際立たせて、道程は理屈抜きに超おいしい大豊饒地帯となっている。
1. I Hear A Rhapsody
2. Peace
3. Out In The Open
4. Triste
5. Night And Day
6. Everything Happens To Me
7. Untitled
8. New Blues
9. Third Stone From The Sun
Sam Dillon (tenor saxophone)
Peter Zak (piano)
Yoshi Waki (bass)
Billy Drummond (drums)
2018年1月13日ニュージャージー州ParamusのTrading 8s Recording Studio録音
レーベル:
Cellar Live
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見開きペーパージャケット仕様CD