★ドラマーのブライアン・ウッドラフ(NYCの主にクイーンズ地区を拠点として活動し、当レーベル=Queens Jazz OverGroundの創設者の一人でもある)が音頭を取って2010年に結成された、ピアノのオスカー・ペレス(自主=Myna盤:「Prepare A Place For Me」が好評だったバップ&ラテンの使い手)、ベースの津川久里子(グループ:UoUの2作品他で注目を集める)、とのピアノ・トリオ:OKB Trioの、満を持しての初アルバム。
★歯切れのいいシャープネスや硬質強固さと、流麗な滑りのよさ、とを併せ持った、小石を転がすような端正なタッチのピアノが、バップやファンキーの伝統的イディオムに則った小粋で渋い「寛ぎスウィンギン」な明快プレイ、を軽やかに紡いで晴朗かつ芳醇なる絵を飾り、安定律動性バツグンでいて何げに小回りも利いたベース&ドラムの手堅いサポートも、テイスティー・グルーヴィーに魅力を際立たせた、ノリよくもホッと一息つけるハートウォーミングな会心打内容。
★徹頭徹尾メロディアス&スインギーでブルース色も濃い、歌心満点な人情娯楽派ピアノ・トリオの鑑!とも云うべき嬉々溌剌たる行き方が続き、敏活な躍動感と柔和でインティメイトなリラクゼーションが自然に一体化した、すこぶる心地よく小気味のいい道程の中で、主役を担うペレス(p)の、快活で結構黒っぽいソウル・フィーリングも備わった、ひたすらオーソドックスなよく唄う正攻法のアドリブ技が、瀟洒で優しい温もりと旨味に満ちた清々しい華を、煌きを放ってゆく。
★→ブルース・ナンバーにおいては、ゴスペルやR&Bに接近した中々濃い口のアーシー&ソウルフルな、かつリズミカルな吟醸味こってりの漆黒グルーヴ節に確たる真価を発揮し、寛ぎ小唄調の展開における洒脱で趣味のいいソフィスティケート・フレージングや、ボッサ・スタイルでの仄かな哀愁とサウダージ溢れる波乗りリラックス・プレイ、辺りがまた得難い妙味だったりもするその、トータルとしてはあくまで折り目正しく節度を保ったイキなジェントルマン然たる美味キャラがごくナチュラルに確立されていて、好感度も絶大。津川(b)の雄弁でコクのあるダイナミック妙技もナイス。
1. The Welcome Song (4:15) - Brian Woodruff
2. I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter (9:09) - Fred Ahlert / Joe Young
3. Hi-Heel Sneakers (7:31) - Robert Higginbotham
4. Milena (6:08) - Kuriko Tsugawa
5. El Padrino (4:34) - Oscar Perez
6. Please Send Me Someone To Love (7:05) - Percy Mayfield
7. I Remember You (4:54) - Victor Schertzinger / Johnny Mercer, arr.Perez
8. Pirouette En Dedans (6:01) - Brian Woodruff
9. Safe Passage (7:33) - Oscar Perez
10. March 3rd (6:10) - Kuriko Tsugawa
11. Tristeza (6:37) - Norman Gimbel / Niltinho /Harold Lobo
Oscar Perez (piano)
Kuriko Tsugawa 津川 久里子 (bass)
Brian Woodruff (drums)
2018年アメリカ作品
レーベル:
Queens Jazz OverGround Records
在庫有り
CD