★2018年、80歳を迎えた、依然精力的・多角的な活躍を続けているテナーサックスの孤高の詩人:チャールズ・ロイド(1938年テネシー州メンフィス生まれ)の、本盤は、好評を博していた2015年録音作「I Long To See You」(Blue Note)と同じ、ビル・フリゼール(g)らとの一団:The Marvelsを再び率いてのアルバム2作目となる、そして今回はフォーク・ロック〜カントリー・ブルース系の人気ベテラン女性シンガー・ソングライター:ルシンダ・ウィリアムズ(1953年ルイジアナ州Lake Charles生まれ)のヴォーカルをフィーチュアした(全10曲中5曲に参加)、意欲溢れる快編。
★陰影豊かで雄々しくも悠々とした、それでいて温かく優しい包容力も感じさせるワイド・トーンのテナーが、リキみなく伸びやかにスピリチュアルな哀愁ロマンを歌い上げて、コクのあるテイスティーな華を成し、フォーキー色仄めくある時は牧歌的でおおらかな、またある時はスピーディーな機動性抜群のファンク調にもなるギターや、レイジー・スモーキーな物憂さと背筋の伸びた凛々しさを混在させた女性ヴォーカル、らもそれぞれに渋い彩りを添えた、奥深くも清々しい感動に包まれる爽やかな会心打内容。
★フォーク・テイストを含んだ寛ぎめのファンク・グルーヴ路線と、ストレートアヘッドなモード・ジャズ、の中間ぐらいの、ごく親しみやすいメロディアス指向の抒情的快演、が流麗に紡がれてゆき、肩の力を抜いてひたすら伸び伸びと気持ちよさそうに自然体で美メロを唄うロイド(ts)、以下銘々の、テンダーな人情味に溢れたアドリブ・プレイが芳醇なる冴えを、豊作ぶりを呈して、実に心地よい。
★C.ロイド(ts)の、ナチュラルな泰然自若さを湛え、それでいて一音一音からは歌的旋律を吹き綴ることへの瑞々しく揺るぎない歓び、がしっかりと伝わってくるという、その巧まずして醸熟したブルージー・メロディックな鳴音のあり様は、「爽快旨口」この上なしのさすが磨き抜かれた魅力に満ちており、一方、フリゼール(g)のダウン・トゥ・アースにして開放感一杯の落ち着き&余裕ある弾奏や、ウィリアムズ(vo)の、微妙にしゃがれた燻し銀的シブさの内側からハートウォーミングな優しさが滲み出てくる、切々と語りかけるような演唱、といった辺りも何げに美味さ濃厚な際立ちを示して好インパクト。
Side A
1. Defiant (Charles Lloyd)
2. Dust featuring Lucinda Williams (Lucinda Williams)
Side B
1. Vanished Gardens (Charles Lloyd)
2. Ventura featuring Lucinda Williams (Lucinda Williams)
Side C
1. Ballad Of The Sad Young Men (Tommy Wolf/Fran Landesman)
2. We've Come Too Far To Turn Around featuring Lucinda Williams (Lucinda Williams)
3. Blues For Langston And LaRue (Charles Lloyd)
Side D
1. Unsuffer Me featuring Lucinda Williams (Lucinda Williams)
2. Monk's Mood (Thelonious Monk)
3. Angel featuring Lucinda Williams (Jimi Hendrix)
*CDと曲数は同じです。
Charles Lloyd (tenor saxophone, flute, ghost vocal)
Lucinda Williams (vocal on sideA-2,sideB-2,sideC-2,sideD-1,3)
Bill Frisell (guitar)
Greg Leisz (pedal steel guitar, dobro except sideD-2,3)
Reuben Rogers (bass except sideD-2,3)
Eric Harland (drums except sideD-2,3)
2017年4月14日,15日&9月9日,10日カリフォルニア州ハリウッドのEast West Studios録音
レーベル:
Blue Note
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180g重量盤2枚組LP