★円熟にして清新の気もみなぎった快進撃を続けるスイング・テナーの大御所:スコット・ハミルトン(1954年ロードアイランド州プロヴィデンス生まれ)の、今盤は、同じBlauレーベルからリリースされて好評を博していた「La Rosita」(EBLR 14)、「The Shadow Of Your Smile」(EBLR 16)の2作品と同一メンツのカルテット(featuringディナ・ディローズ-p)を再び率いての快作。
★太く重厚で温かみに満ちたトーンのテナーが、優しくもちょっとけだるげに、そして悠然と伸びやかに哀愁を歌い上げて、超芳醇なる華を成し、歯切れよくも瀟洒にブルース色濃い和み感を醸成するピアノの助演も、渋くてコクのある確固とした彩りを添えた、全体を通じて実に懐深いその包容力にゆったり包み込まれる思いの、ホッと安心できる快適内容。
★モダン・スイングとハード・バップの中間ぐらいな感じの、一貫してウォーム&インティメイトなリラクゼーションを底流させたメロディアス指向の抒情派奏演、がテンダーに、かつ、一歩一歩を力強く踏み締めるが如く雄渾に展開され、ハミルトン(ts)の、自然体っぽく肩の力は抜けていながら、同時に、巧まず屈強なタフネスもおのずと備わった、ひたすらハートウォーミングでおおらかな、そして楽しげな唄いっぷりがさすがの醸熟ぶり・豊饒具合を見せる。★→豪快でスケールもデカい、ドライヴ感に溢れたダイナミックな咆哮を轟かせ、しかし並行して、レイジー・スモーキーでちょいデカダンスでもある柔和な寛ぎ色も滲み出させる、という、トータルとしては「まろやかスムース」な風合いを保ちつつ、その中に引き締まった逞しさと程好いユルさ・ソフトネスを細かに交差させる、さりげなく磨き抜かれた練達の吹鳴は何ともアジな、得難い深々とした魅力に満ちており、全くゴキゲンだ。結構ソリッド&スクエアーに手堅いサポートを見せるディローズ(p)の硬派なプレイも聴きもの。
1. I'll Close My Eyes 5:50
2. Moon Mist 4:39
3. If I Should Lose You 6:35
4. Young And Foolish 5:30
5. Only Trust Your Heart 6:18
6. Why Did I Choose You? 5:14
7. Days Of Wine And Roses 5:57
8. Castellón After Dark 5:25
9. Embraceable You 6:25
Scott Hamilton (tenor saxophone)
Dena DeRose (piano)
Ignasi Gonzalez (double bass)
Jo Krause (drums)
2017年12月10日スペイン-カステリョンのAuditon i Palau de Congressos録音
レーベル:
Blau
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デジパック仕様CD