★1970年代後期にアメリカからデンマークへ渡り、以来コペンハーゲンを本拠に多角的・精力的な活動(チェット・ベイカーのサイドとかも)を続けるも、先年59歳の若さで亡くなってしまったダグ・レイニー(1956年ニューヨークシティ生まれ、2016年デンマークのコペンハーゲンで死去)と、旧ソ連から同じくコペンハーゲンへ移住して活動し(60年代にはモスクワで活躍していた)、イェスパー・ルンゴーとのデュオやサド・ジョーンズのビッグ・バンド等で辣腕を揮ってきたニコライ・グローミン、という2人のギタリストによる、1993年7月コペンハーゲンのサビーネ・カフェテリアでの未発表デュオ・ライヴ録音、を初ディスク化した発掘アルバム。
★クール・メロウで潤いに溢れつつも独特の角太さを湛えた、軽妙小粋なメロディック弾鳴と、より細くシャープでいて荒削りっぽい面もある中々エネルギッシュでエモーショナルな音塊、とが当意即妙の掛け合いを見せながら、スインギー&グルーヴィーかつインティメイトな、渋味一杯の吟醸世界を滑脱に描き出してゆく好演内容。
★和気あいあいげでハートウォーミングな寛ぎを底流させ、同時に、ダイナミックで力強いノリのよさも堅持した、歌心にも富む正攻法のリリカル指向な行き方が、何とも楽しそうに展開してゆき、仄暗く幽遠なクールイズムと硬派でイナセな伝統的バップ・イディオムを使った殺陣的アクション色、とをスリリングに融和させながら歯切れよく闊歩邁進する、トータル的には極めて端正なレイニーと、音色は濃やかだが語調は結構ラフで豪快そして熱っぽいところのある、意気と威勢に満ちたグローミン、が鮮やかなコントラストを成す道程を、ひたすらフレッシュかつ、こってりテイスティーに満喫させてくれる。
1. Something's Up (Doug Raney)
2. My Funny Valentine (Richard Rodgers / Lorenz Hart)
3. There'll Never Be Another You (Harry Warren / Mack Gordon)
4. Nardis (Miles Davis)
5. Ask Me Now (Thelonious Monk)
6. Cherokee (Ray Noble)
7. Estate (Bruno Martino)
8. Blues For Thad (Nicolai Gromin)
Doug Raney (guitar)
Nicolai Gromin (guitar)
1993年7月6日 デンマーク-コペンハーゲンのサビーネ・カフェテリア(Sabines Cafeteria)でのライヴ録音
レーベル:
Stunt
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CD