CATFISH RECORDS

★自己コンボの他、日野晧正や佐藤允彦のグループでも辣腕を揮い、the MOSTやGH4、T.I.A.、Oaky、arbegといった精鋭ユニットも強力に推進してきた現代J-ジャズ界を代表するアルトサックスの逸材:多田誠司(1960年香川県高松市生まれ)の、今回は、リニー・ロスネス(p)、ピーター・ワシントン(b)、ケニー・ワシントン(ds)、というNYの猛者連と組んだカルテットによる気合の一編。

★鋭い締まりや強堅さと、柔らかな丸みや弾性、が絶妙に合わさった、旨味溢れる活きのいいトーンのアルトが、バップ魂、ブルース・フィーリング、歌謡性、をバランスよく有した実に流暢な、スイスイと舞い泳ぐような滑脱ブロウを何とも気持ちよさそうに繰り出し続けて、中々イナセに華を成し、リズム・セクションのタイト&ソリッドでスリル充分の、ツボを心得たサポートも頼もしげにノリを高めた、快調にして美味さ芳醇な会心打内容。

★真剣勝負な立ち回りの迫力や緊張感〜サスペンスと、優しく親しみやすい抒情性や歌心、がごく自然に黄金率でブレンドされた、全くの正攻法で衒いなく驀進する現代流の娯楽的ハード・バップ奏演、が溌剌と展開され、サイド陣の手堅くもニュアンス濃やかな機動的バックアップ、にしっかり支えられ、刺激されながら、多田(as)の、腰を据えて伸び伸びと完全燃焼する、エモーショナルでいて巧まず鮮やかにメリハリも利いた何げにドラマティックなアドリブ妙技、練達した語り口が文句なしの冴え・豊作ぶりを見せて、誠に壮快だ。

★→バップやモードの定番イディオムを活用した硬派で雄々しく勇み肌な、ダイナミズム&エネルギッシュさみなぎる精悍アクション節と、より洒脱でマイルド&ハートウォーミングな寛ぎ小唄っぽいメロディアス・フレージング、とを破綻なく一体化させつつ、ひたすら流麗潤滑に旋律の泉or清流の如くノリノリで歩を進めてゆく、その吹鳴の豊饒さは全く見事で、フルートに持ち替えての繊細で耽美的な哀愁ロマンの歌い様にも瑞々しい妙味がある。時折ファンキーにもなるロスネス(p)のスクエアーな助演も光っている。

1. Workout … Seiji Tada
2. On The Trail … Ferde Grofé
3. Autumn In New York … Vernon Duke
4. Segment … Charlie Parker
5. Con Alma … Dizzy Gillespie
6. Play In The Room … Seiji Tada
7. O Grande Amor … Antonio Carlos Jobim
8. Black Rock … Seiji Tada

多田 誠司 Seiji Tada (alto saxophone, flute, alto-flute)
Renee Rosnes リニー・ロスネス (piano)
Peter Washington ピーター・ワシントン (bass)
Kenny Washington ケニー・ワシントン (drums)

2017年11月ニューヨークのSamurai Studio録音

レーベル：Studio TLive

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国内制作CD