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ホーム日本のジャズ (JAZZ IN JAPAN)熱血武骨なアグレッシヴさみなぎる突撃疾駆ぶりでスカッと興奮させる硬派ピアノ・トリオ会心打! CD 浦島 正裕 MASAHIRO URASHIMA / THE PALM OF A BEAR ザ・パーム・オブ・ア・ベアー
商品詳細
★田村翼、内田浩誠、寺下誠らに師事し、1990年代後期より東京シーンでプロ活動、音楽教職者としても多忙に活躍している、マッコイやコルトレーンに傾倒する剛漢なるピアニスト:浦島正裕の、ベース&ドラムとのトリオによる、ただならぬ気合がほとばしった必殺のライヴ編。
★強堅で骨太く重厚感ある、角張ったストーン・タッチのピアノが、熱血勇猛に雄々しく突撃疾走し、登り詰めてゆくような、極めてアグレッシヴな大立ち回りのダイナミック・プレイを毅然と紡いで、何ともエキサイティング&エモーショナルに鮮烈なる絵を飾り、一方、全力で体当たりをカマしてくるが如きドラムやベースの、パワフルかつ敏捷な躍動ぶりも、頼もしげにグルーヴ&スリルを底上げしきった、圧倒的な昂揚感と、聴き終えた後には清々しい疲労感、とが味わえる敢闘内容。
★硬派でアツい武勇さのみなぎった、迷いなく妥協なき真剣勝負の壮烈なモーダル・アクション大熱演!、がひたすらストロングに、不屈げに展開され、ドッシリ揺るぎなくも自在な遊撃性あるベース&ドラムのアタッキングなサポート、に上手く煽られ(かつしっかり支えられ)ながら、浦島(p)の、腰を据えて伸びやかに完全燃焼するアドリブ奮戦が、誠に凛々しく潔い、雄渾そしてパッショネートな理屈抜きの密度濃い盛り上がりを呈して、スカッと爽快に興奮させてくれる。
→モード色に富んだ熱く激しい情魂味ほとばしる立体力学的・全力疾駆的な剛健ワザ、を得意の根幹として大いに沸かせる他、伝統的なブルース由来の吟醸味を含んだイキで渋い旨口節や、バラードでの朴訥さと雄弁さがない交ぜになった風なアジなロマンティストぶり、といった辺りにも中々清新な魅力があり、トータルとしてはあくまで逞しく屈強な、スケールもデカいタフガイ然とした豪音イメージが確固と形成されていて、説得力も絶大だ。

1. Yesterdays
2. The Palm Of A Bear
3. I Love You, Porgy
4. Love For Sale
5. Who Can I Turn To
6. I Love You

浦島 正裕 (piano)
楠井 五月 (bass)
山田 玲 (drums)

ライヴ録音(2018年日本作品)

レーベル:Lily Jazz

在庫切れ
可能な限りお取り寄せいたします
CD

国内制作CD

熱血武骨なアグレッシヴさみなぎる突撃疾駆ぶりでスカッと興奮させる硬派ピアノ・トリオ会心打! CD 浦島 正裕 MASAHIRO URASHIMA / THE PALM OF A BEAR ザ・パーム・オブ・ア・ベアー[LJ 0001]

販売価格: 2,280円(税込)
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商品情報
Lily Jazz

日本ジャズ界の最先端で活躍する二人の天才ジャズメンをリズムセクションに迎え、繰り広げられる「The Shape of Phrasing」

THE PALM OF A BEAR 〜McCoy Tynerへのオマージュ〜
 このアルバムはMcCoy Tynerへのオマージュである。

初めてMcCoy Tynerを目にした衝撃は忘れられない。まるで『熊の手』。この手でピアノを弾くなんて!
McCoy Tynerは1960年頃からJohn Coltraneのバンドで活躍する。John Coltraneのジャズ史におけるその存在の影響力は計り知れない。John ColtraneとMiles Davisは、それまで柱であった古典的機能和声の枠組みの中で演奏されるジャズとは別の枠組み、つまり旋法和声というもう一つの枠組みの構築に寄与した。旋法和声は一般的にいうModeで、Mode奏法・Mood Jazzとよばれるものであるが、スタイルやジャンルといったものより深いものである。旋法和声はジャズに限らず楽曲を編曲・演奏するためのコンセプトとなる。単に演奏スタイル・演奏方法というものではなく、もっと根本的な概念である。旋法和声はクラシック音楽における印象派の音楽、つまりDebussyやRavelを中心とする印象主義音楽を構成する大きな概念の一つとして知られている。グレゴリア聖歌や中世・ルネッサンス以来の伝統的な旋法を踏まえた歴史的実在、また西洋的精神の理論的展開である和声の潜在的性質を絶えず導き続けた実践的実在である。

 Miles DavisやJohn Coltraneは、旋法和声の枠組みをJazzに取り入れた。今では機能和声と旋法和声が上手く調和された状態で演奏が行われる。もちろん奏者個々によってコンセプトが異なるので一概には言えないが、ジャズ界全体としては調和がとれたものとなっている。古典的機能和声と旋法和声をしっかりと区別することは重要である。例えば、Available Note Scaleに出てくるAvoid Note。意味もなく「Avoid Noteは避けるべき。」とするものもあれば、逆に「Avoid Noteはもはや無くなった。」という文字を目にしたりする。機能和声と旋法和声の概念が曖昧だと、Avoid Noteの取扱いに混乱が生じる。Avoid Noteになりうる根拠は、一律に決まっているものではないので全てのAvoid Noteに当てはまるわけではないが、機能和声の枠組みだとAvoid Noteになりうる音が旋法和声の枠組みだとAvoid Noteにならない場合がある。ジャズ理論を勉強した経験のある方だと思い当たる節があると思うが、Available Note Scaleの章ではAvoid Noteとして避けられていた音が、Modeの章ではAvoid NoteがCharacteristic Note(特性音)として、その旋法を特徴付ける音になる。同じ音が、章が異なれば全く逆の意味を成す。混乱が生じるのも無理はない。これは、前者は古典的機能和声の枠組みの話で、後者は旋法和声の話であり、楽曲を司る和声概念の違いによって生じるものである。ともかくJohn Coltraneは旋法和声をJazzに取り入れることに成功した。

ピアニストの立場からその一端を担ったのがMcCoy Tynerである。John Coltraneが機能和声の応用的展開から一転、旋法和声からの展開を図ろうとした時、McCoy Tyner以外にピアニストは考えられなかっただろう。旋法和声的展開におけるMiles DavisにBill Evans、John ColtraneにはMcCoy Tynerという構図は、非常に興味深い。因みに古典的機能和声の枠組みにおける代表的なジャズ・ミュージシャンといえば、Charlie Parker、Bud Powel、Oscar Petersonであろう。ピアニストの立場からすると、古典的機能和声の枠組みにおいて完璧な語り口をもつOscar Petersonの存在意義は大きい。(もちろんOscar Petersonは旋法和声の枠組みにおける奏法にも長けている。)Oscar Petersonの古典的機能和声の枠組みにおける話し方(奏法)は、すべてのジャズピアニストの模範・基礎となりうるもので、その偉大さは計り知れない。その存在には感謝しかない。古典的機能和声の枠組みからジャズを体現するOscar Peterson、旋法和声の枠組みからジャズを体現するBill EvansやMcCoy Tyner・・・。ジャズピアニスト界は、尊い両翼を装備している。McCoy Tynerはフレイジングにおいて、その後のピアニストに多大な影響を及ぼすことになる独特の「The Shape of a Phrase」作り出した。それは、一見すると非常に無機質な「Shape」であるかも知れない。紛れもなく旋法和声の枠組みから生まれた「Shape」である。私は10代の時に初めてこの「The Shape of a Phrase」を耳にしたのだが、それはKenny Kirklandの演奏によるものだった。McCoy Tynerの影響によるものだ。この「Shape」は、Harmonic NotesとNon Harmonic Notesを縦横無尽に動き回る。その時、「形を耳」にした時の高揚は今も体中に息づいている。(浦島正裕)