CATFISH RECORDS

★CapriやChiaroscuroよりの諸作に好評を集めてきたアメリカの正統派・娯楽派ピアニスト:マイク・ジョーンズ(1962年ニューヨーク州バッファロー生まれ)は、長年に渡り人気奇術師コンビ:「ペン&テラー(Penn Fraser JilletteとRaymond Joseph Tellerの2人)」によるショウのミュージカル・ディレクター並びにピアノ演奏(&前座)をレギュラーで務めており、今盤は、その前座ライヴの模様を収めた一編。
★編成は、その「ペン&テラー」の一人でありベーシストでもあるペン・ジレット(1955年マサチューセッツ州グリーンフィールド生まれ)、とのデュオ。キレのよさと流麗さを塩梅よく併有した、骨芯は中々太く硬質感もあるクリアー・タッチのピアノが、ブルース色濃く曲芸的なアクションも適宜織り混ぜながらの、極めてエンターテイニングな明快ハツラツたるメロディック・スウィンギン・プレイ!を嬉々として紡いで、何とも清やかな華を成し、ドライヴ感満点で強靱にウネり跳ねる重厚かつ敏活なベースの立ち回りも、バッチリ渋い彩りを添えた、全編を通して晴れ晴れとした開放的昂揚感と優しくハートウォーミングな人情味、に心地よく包み込まれる思いの会心打内容。
★歌心とスイング感に潔くポイントを絞り込んだような、ひたすらキャッチーで親しみやすくもノリノリな明朗娯楽的バピッシュ奏演、が歯切れよく楽しげに、おおらかに展開され、ジレット(b)の、豪快なワイルドネスとカッチリした安定律動性を兼備した、一貫して大きくスイングするブレなきサポート、に頼もしく支えられ、ノセられながら、ジョーンズ(p)の、粋でイナセで程好くハッタリも利いた、王道エンタテイメント指向の歌いに歌う活躍が、理屈抜きでスカッと胸のすくようなゴキゲンな絶好調ぶりを見せる。
★→オスカー・ピーターソン辺りに底通する、アクロバティカルな大立ち回り的要素も随所に盛り込みつつの、どこまでもファンキー・バピッシュでダイナミックな旨口フレージングが鮮やかに冴え渡っており、より軽涼感を増したブロック・コードを活かしての、レッド・ガーランドやウィントン・ケリーに接近した風な寛ぎ小唄調のアプローチ、にもさすが練達し熟した妙味があって、その、ごく自然体で直情的でありながら、さりげなく精確巧緻なハイテクニックさにしっかり裏打ちされた堂々悠々のストーリーテラーぶりは、超おいしく説得力も絶大だ。

1. Broadway
2. Corcovado
3. But Not For Me
4. Have You Met Miss Jones
5. There Is No Greater Love
6. Manha De Carnaval
7. Tangerine
8. On The Sunny Side Of The Street
9. Box Viewing Blues
10. Exactly Like You

Mike Jones (piano)
Penn Gillette (bass)

2018年作品(ライヴ録音)

レーベル：Capri

在庫有り
デジパック仕様CD