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ホーム | MODERN JAZZ 楽器別 > PIANOMINIUMシリーズCD MARC COPLAND マーク・コープランド ,BILL CARROTHERS ビル・キャローサーズ / NO CHOICE
商品詳細
★聴きなれたはずの曲でさえ、足を踏み入れたことが無いような幻想の世界への入り口にしてしまう独特のポエジー、ロマンス性が香りたつということで共通する、二人のピアニストの魔術的な発想力。

●キャロザーズとコープランドという個性の強いピアニスト2人がコンビを組んだデュオ・セッション編。2006年1月フランス録音。曲は有名作品中心。透徹に澄んだ冷涼かつ深遠な空気感(サロン風?)を湛えながら、しっとりとした繊細端麗さと豪快なダイナミズムを巧く使い分けた中々表情豊かな対話が交わされる、研ぎ澄まされた風合いの好投内容である。落ち着いた耽美派バラード的なアプローチと、リズミカルに躍進スイングするアクション的展開、とが好バランスで織り混ぜられた(曲単位または場面単位で的確に趣向が切り換えられる)、メリハリ充分でキレのある、鋭敏滑脱な行き方が続き、ユニゾンや対位法などなどアンサンブルの手法やその緩急=緻密さ・粗さの加減にもさりげなく多様で細かな変化のつけられる劇的・機動的道程の中、両者の、イマジネーション全開の即興プレイがシャープ&スリリングに生々しい映えを示してゆく。曖昧に移ろう情緒の機微をじっくりと神妙にすくい取ってゆくような、スパイス味と硬質感ある内省的リリシズム表現、並びに、荒々しく重厚かつ鋭角に跳ね躍る殺陣風の立体力学的ハード・アクション攻勢、を魅力の二本柱としながら、バピッシュ&ブルージーな渋めの旨口スイング快演や、マイルドでおおらかな正攻法の寛いだ歌物バラード路線、といった辺りにもさすがの余裕と風格が示された、トータル的にはちょっと幻想的でビタースウィートな味わいの奥行きあるユニーク編。

1 Lonely Woman
2 You and the Night and the Music
3 You and the Night and the Music
4 Dim Some
5 Take the A Train
6 Blue In Green (Chorale & Canon)
7 Blue In Green (Theme and Variations)
8 Masqualero
9 Bemsha Swing
10 Lonely Woman

Bill Carrothers(piano)
Marc Copland(piano)

2006年1月23日,24日 録音

在庫有り
デジパック仕様CD
このCDのみご購入御希望の場合は送料込み価格2,619円

MINIUMシリーズCD MARC COPLAND マーク・コープランド ,BILL CARROTHERS ビル・キャローサーズ / NO CHOICE[MIN 004B]

販売価格: 2,520円(税込)
数量:
商品情報
聴きなれたはずの曲でさえ、足を踏み入れたことが無いような幻想の世界への入り口にしてしまう独特のポエジー、ロマンス性が香りたつということで共通する、二人のピアニストの魔術的な発想力。

マーク・コープランドもビル・キャロザーズも、常に鮮度の高い美的表現を聴かせてくれるピアニストとしてお馴染み。コープランドは散文詩的に珠玉フレーズを紡いでいく吟遊詩人みたいなところがあるのに対し、キャロザーズは幻想物語を巧みな情景描写で鮮烈に語る傾向があるという違いがあるが、独特のポエジー、ロマンス性が香り立つということでは共通する。2人とも、ほうっておくと果てしなく夢見つづけるみたいな癖があるようで、自由に発想し、ぐんぐん深めていくところや、それが耽美の極みへ向かう性向があるところも共通点だと思う。

このデュオにかかると、例えばオーネット・コールマン(1&10)もマイルス・デイヴィス(6&7)もドビュッシーやラヴェルのような大作曲家に引けをとらない才能の持ち主なんだなぁと思わずにいられない。どんな素材でもジャズにしてしまえるのがジャズだ、とよくいわれる。いわば無頼の美学だ。そんなジャズから生まれた曲や発想がいわゆる芸術音楽と同次元のものでありえることを証明しようとする動きも長年あるが、ますます堅苦しくなっている感を否めない。本家・元祖・正統性なんていう価値観が混じると、ますます敷居が高い。キャロザーズとコープランドは、ニール・ヤング(3)、ミュージカル・ナンバー(2)も捨てたもんじゃないぜ、てな調子で風通しをよくしている。粋だ。しかし冷やかしではない。ジャズ=マルチアイデンティティ音楽説の、いわば「ダヴィンチコード」解読的実演を聴くようなスリルがある。

Text by 岡島 豊樹