★波多江崇行(g)(福岡市出身)、川下直広(ts)(1954年東京都葛飾区生まれ)、小山彰太(ds)(1947年北海道の中頓別生まれ、札幌育ち)、という突出個性の強者インプロヴァイザー3人組による、2017年5月の九州ツアー中、福岡県糸島市のGreen Chordでのライヴ編。
★繊細さと好戦性を併せ持ったキレ味鋭いギターや、パワフルでスピリチュアルな野獣性溢れるテナー、多彩でいて精巧な、ひたすらシャープに繰り出される一音一音に抜群の的確さ・説得力を感じさせるドラム、らが、ある時はけたたましく獰猛に体当たりのぶつかり合いを演じ、ある時は優しくロマンティックにアジな哀愁を映し出して、圧倒的スリルと興奮そして瑞々しい感動に満ちた、非常に密度の濃い音世界を創出した敢闘内容。
★変幻自在でハイブリッドな、正に血沸き肉躍る昂揚感満点のフリー即興インタープレイが展開されるが、悔いなく伸びやかに完全燃焼する各人の、中々に異形で苛烈、それでいて結構掴みやすい情動性や歌心をもしっかり備えた、さすが百戦練磨の懐深いインプロ至芸が、十二分に熟成された卓抜なる冴えを示してゴキゲンだ。一触即発の激しい真剣勝負に終始する前半〜中盤のハードさ・アグレッシヴさにも大いにウナるが、一転してラストの美しいバラード・ナンバーにおける、波多江(g)のマイルド・テンダーな親しみやすい詩情たっぷりの唄い様や、川下(ts)のおおらかな牧歌的ロマンティストぶり、小山(ds)のスペイシーな浮遊感を渦巻かせつつのスケールも大きいエモーション描写、といったリリシスト肌・メロディスト肌のわりかしナイーヴで優しい、安らいだアプローチがまた絶品(心地よさバツグン!)である。
1. Parhelic Circles #1
2. Parhelic Circles #2
3. Mary Hartman Mary Hattman You've Got It Made
波多江 崇行(guitar)
川下 直広(tenor saxophone)
小山 彰太(drums)
2017年5月1日福岡県糸島市 Green Chordでのライヴ録音
レーベル:
地底レコード
在庫有り
紙ジャケット仕様CD