★ベテラン・コルネット奏者:ラッセ・トゥーンクヴィスト(1935年ストックホルム郊外生まれ)を中心とするお馴染みスウェーデンの人気寛ぎジャズ・ユニット:SJTの、久しぶりのニュー・アルバムは、トゥーンクヴィストが尊敬してやまないルイ・アームストロングに捧げられた一編。
★メロウで渋い吟醸的グルーヴを濃やかに体現するギターや、骨芯を据えてウォーム&ドライヴィングに闊歩するベース、らに導かれつつ、微妙に掠れたハスキー・スモーキーなトーンのコルネットが、優しくもどこか朴訥と、或いは飄々と哀愁や安らぎをセンシティヴに歌い上げて、誠に心地よくも味わい豊かな抒情世界を悠然と描き出した、さすがさりげない確かな熟成度を感じさせる充実内容。
★温かでインティメイトな和み感と、軽やかで小気味のいいスイング感、に貫かれた、肩肘張らぬも一定の節度あるリリカル指向の寛ぎ妙演が、何ともソフィスティケートに紡がれてゆき、各人の、マイルド・テンダーでしっとり端麗、それでいてちょっとドライにサバけたところもあるソロ活躍が、程好いカラフルさや温度差をも醸しつつ、中々余情深い豊饒ぶりを見せてゴキゲンだ。
★トゥーンクヴィスト(cor)の、ハートウォーミングで明るく溌剌とした粋な風情と、チョイ達観したようでもある枯淡で乾いた趣、とを絶妙に融け合わせながら結構サバサバと歩を進めてゆくその、簡潔にして幽玄(やウィットっぽさ)に富んだひたすらメロディアスな語り口、が実に風雅に、そしてテイスティーに冴え渡っており、一方ラーション(g)の、仄暗くクールな耽美性とブルージー&バピッシュな王道旨口さを併せ持った、何げにメリハリある劇的活躍も、これまた鮮やかに際立っていて好印象。ごく平易にして奥深さも抜群の卓越した逸編。
1. Can Anyone Explain (Benjamin - Weiss)
2. Baby Won't You Please Come Home (Warfield - Williams)
3. Whiffenpoof Song (Minnigerode - Pomeroy - Galloway)
4. On The Sunny Side Of The Street (Mc Hugh - Fields)
5. Someday You'll Be Sorry (Armstrong)
6. Dream A Little Dream Of Me (Andre - Schwandt - Kahn)
7. It's Wonderful (Wells - Smith - Parish)
8. Swanee River (Old Folks At Home) (Foster)
9. After You've Gone (Layton - Creamer)
10. I'm In The Mood For Love (Mc Hugh - Fields)
11. Endie (DeLange - Alter)
12. Tin Roof Blues (Melrose)
13. When It's Sleepy Time Down South (Rene - Muse)
14. What A Wonderful World (Weiss - Thiele)
Lasse Tornqvist ラッセ・トゥーンクヴィスト (cornet)
Mats Larsson マッツ・ラーション (guitar except 14)
Hans Backenroth ハンス・バッケンルート (bass except 14)
2017年?5月10&11日スウェーデン-ストックホルムのAtlantis Recording録音
レーベル:
Spice Of Life
在庫有り
国内制作 デジパック仕様CD