★澤野よりの近作にも好評を集めていた、イタリアのキャリアある人気個性派ピアニスト:アレッサンドロ・ガラーティ(1966年イタリアのフィレンツェ生まれ)の、今作は、女性ヴォーカルやサックス陣を迎えたフル状態で6人になるコンボを率いての、故ケニー・ウィーラーに捧げられた一編。
★繊細かつ端麗優美にしっとりと憂愁を歌い上げるピアノを中心としつつ、妖しく艶やかに呟きかけてくるような女性ヴォーカルや、肉太くソウルフルに旨口節を轟かせるテナー、シャープ&アグレッシヴに囀り鳴くソプラノ、らが、ある時はダイナミック・スウィンギンに、ある時は浮遊感を渦巻かせつつサスペンスフルに交差して、奥行き豊かで陰影に富んだ、誠に深遠な詩情世界を描き出した敢闘内容。
★全員が登場する尺やや長めのトラックと、選抜人員による短尺のインタールード的(一部、即興交感的?)なトラック、とがバランスよく配列された、基本は「ヨーロッパ耽美派」タイプのダーク&ビタースウィートそしてロマネスクな音世界が形成され、インタープレイの迫真スリルも十二分に示される中で、各人の個性溢れるアドリブ奮戦が中々鮮烈に、味わいも濃厚な充実した見せ場を繋いでゆく。
★ガラーティ(p)の、センシティヴでいて決して甘さに流されない、結構スパイスの利いた多面的ロマンティストぶりが、全編を通じて余情も深く冴え渡っている他、Severini(vo)のクール&エレガントかつ官能的なウィスパリング調の仄暗い哀切歌唱や、サルズマン(ts)のコク味こってりのダウン・トゥ・アースな武骨げ咆哮熱演、Cantini(ss)のエッジを利かせた精悍でパッショネートなアクション・ブロウ、といった辺りもそれぞれ実にアザやかに存在感を際立たせていて、道程は何げにカラフルで極めて密度の高い仕上がりとなっている。
1. KEN
2. k
3. e[#1]
4. n[#1]
5. NY
6. n[#2]
7. y
8. WHEEL
9. w
10. h
11. e[#2]
12. e[#3]
13. l
14. ER
15. e[#4]
16. r
Alessandro Galati (piano, compositions, arrangements)
Simona Severini (vocal)
Stan Sulzmann (tenor saxophone)
Stefano Cantini (soprano saxophone)
Ares Tavolazzi (bass)
Enzo Zirilli (drums)
recorded at Sonoria Studios, Prato.
mixed at Artesuono Studios by Stefano Amerio.
(2017年作品)
レーベル:
Somethin' Cool
在庫有り
国内制作CD