CATFISH RECORDS

JAZZ BAR2008 に収録されたものの、すっかり影を潜めてしまった通好みのピアノトリオ・レア盤

アメリカのマイナー・ピアニストの、トリオによるセルフ・プロデュース作品(2006年制作)。ドラムは3交代。曲は有名作品中心。堅固で鋭角な骨芯の強さ〜安定性と、軽やかに転がる流麗潤滑さ、を併せ持った旨口のクリアー・タッチによる、陰影深くも闊達なブルージー・プレイがシャープ&テイスティーに絵を飾った、中々の芳醇内容である。リズム面に適宜な緩急起伏がつけられつつ、今様ハード・バピッシュ・ピアノ・トリオの正統らしい、渋めリリカル筋の歯切れよい邁進が続き、主役pの、バップ、ブルース(ファンキー)、モードのイディオムを消化した、硬軟巧みで歌心も充分の機動的アドリブ技が凛々しげに冴えている。スクエアーな伝統的バップ・イディオムと粋なファンキー小唄的フレージングを掛け合わせた寛ぎ趣向や、ハンコック系モード・スタイルの基本に則ったパーカッシヴでエモーショナルな硬派スインギー熱演、エヴァンスの影もチラつくしっとりめの耽美的バラード、パウエルやピーターソンの打楽器的ダイナミズム面を踏襲・拡大したようなイキのいいブルージー・アクション、等々、バラエティー豊富にしてあくまで王道な、ストレートアヘッド勝負のアジな快投が横溢し、コク味も充分に楽しませる。良質作。

↑以前入荷時の当店キャプション

2007年初入荷当初、奇を衒うことのないストレートな演奏と説得力ある力強いタッチが受け入れられ、本邦でも静かな話題を呼んだ傑作の限定復刻です。説得力のブルージーな雰囲気と粘り気のある重厚なタッチで、様々なスタイルを緩急自在に軽くクリアする洗練されたテクニックと、無骨で芯のある荒さを残した音色の質感が心地よく、ファンキーな表情と小気味良いスイング感の共存が印象的。曲によってドラマーが変わりますが、それによって音の奥行きがぐっと広がり作品の表情が豊かになっています。(新譜案内より)

1. Bernie's Tune (Bernie Miller)
2. Red Clay (Freddie hubbard)
3. Temptation (N.H. Brown/A. Freed)
4. Solar (Miles Davis)
5. Old Devil Moon (E.Y. Harburg/Burton Lane)
6. Freedom Jazz Dance (Eddie Harris)
7. All the Things You Are (Jerome Kern/Oscarhammerstein II)
8. Baubles, Bangles, and Beads(Robert Wright/George Forrest)
9. Melancholy Serenade (Jackie Gleason)
10. Blue Monk (Thelonious monk)
11. Menina Flor (Luis bonfa/Maria Toledo)
12. Lazy Bird (John Coltrane)

Cliff Monear (p)
Nick Calandro (b)
Bob Harsen (ds #2,3,6)
Scott Kretzer (ds #1,4,8,10)
Ennix Buchanan (ds #5,7,9,11,12)

在庫有り
CD