★アメリカ・ポピュラー・ヴォーカルの大御所:トニー・ベネット(1926年ニューヨーク州クイーンズ生まれ)の、これは、1960年頃に米NBCのラジオ番組「レッツ・ゴー・トゥ・タウン」に連続的に出演した折の、計8プログラムのトランスクリプション音源(15分枠の番組1本の中でヴォーカルが2曲、バンド演奏が2曲という構成であった)から、ベネットのヴォーカルが聴かれる全16トラックを抽出した発掘アルバム。編成的には、相棒:ラルフ・シャロンのピアノとのデュオや、シャロン率いる小コンボの伴奏、バディ・モロウ・オーケストラやラリー・エルガート・オーケストラとの共演、と、変化に富んだ趣向。
★爽やかでクリーンな清風っぽさと、ハスキー&スモーキーな霞み感が絶妙に合わさった、中々きめの細かい端正な声質による、誠心こめて優しくも切々と情感を映し出すエモーショナルな展開と、より軽やかで飄々としたリラクゼーションorグルーヴ表現、とが上手い塩梅で掛け合わされた、自然体にして抑揚豊かな演唱が、瑞々しくも美味しさ抜群の映えを示した充実内容。
★ゴージャス&ダイナミックでスウィンギンなオーケストラや、趣味のいいクール・インティメイトなコンボ、らの妙演もシブ鮮やかな魅力的彩りを成しながら、1曲1曲はごく簡潔にまとめられた快速テンポの、それでいて余情深い、何とも粋な道程が綴られてゆき、ベネットの、極めてセンシティヴでありつつ、力の抜け具合がまた◎の、誠に瀟洒な歌い回しが終始清々しい好調ぶりを見せる。
→ソフィスティケートでロマンティックな、柔和さの中に力強いアタックっぽさ〜パッションのハジけ様をも見え隠れさせた、トータルとしては「洒脱な軽み」にスッキリと収束してゆくその、明るく晴れやか、かつ、アジな行間余韻〜仄かな哀愁も漂う、至極流麗で小気味のいいベネット節のキレは全く鮮やか。
1. ザ・ベスト・イズ・イェット・トゥ・カム
2. ビウィッチト
3. いつかどこかで
4. ノーバディズ・ハート
5. ホワット・グッド・ダズ・イット・ドゥー?
6. マリー・ヤング
7. オールウェイズ
8. ハウ・ロング・ハズ・ジス・ビーン・ゴーイング・オン?
9. ジス・クッド・ビー・ザ・スタート・オブ・サムシング
10. ブルー・ムーン
11. ハピネス・イズ・ア・シング・コールド・ジョー
12. ジャスト・イン・タイム
13. ワン・フォー・マイ・ベイビー
14. ユー・キャント・ラヴ・エム・オール
15. ザット・オールド・ブラック・マジック
16. ラヴ・ウォークト・イン
Tony Bennett トニー・ベネット(vocal on 1-16)
Ralph Sharon ラルフ・シャロン(piano on 2-5,16)
Ralph Sharon Trio on 6
Ralph Sharon Trio + trumpet on 10
The Buddy Morrow Orchestra on 1,7,8
The Larry Elgart Orchestra on 9,11-15
1960年頃録音
(音源 ◆米NBCのラジオ放送『Let's Go To Town』)
(番組番号 #209〜#212 & #249〜#252)
レーベル:
SSJ
在庫有り
国内制作CD