CATFISH RECORDS

★依然超大忙しの多角的でグローバルな活躍を続けているノルウェーの人気フリー派ドラマー:パール(ポール?)・ニルセン=ラヴ(1974年ノルウェーのMolde生まれ)の、本盤は、以前ミニ・アルバム的なライヴ盤を出して好評を得ていた(その後、アルバム2作とEP1作を発表)精鋭揃いのラージ・バンド:Large Unit、による、今回はブラジルのパーカッション陣もフィーチュアした体制での、スタジオで録り下ろされた入魂の一作、＝ニルセン=ラヴ作の3つのコンポジションの演奏。

★リズミカルなグルーヴ感を醸成する、ワイルドでいて律動的でもあるビート鳴動の上で、スピリチュアルなアンサンブルが整然と響いたり、徹底してアブストラクトな異形のフリー・インプロ群が渾沌とアナーキーに錯綜したり、結構バピッシュでメロディアスなソロがテイスティー・グルーヴィーに見せ場を飾ったり、かと思えば、ビートも途絶えた完全な無調の状態での実験的な小競り合い風の即興バトルが怪しく展開されたりと、中々先読みを許さぬスリリングな道程形成で、ピリッと昂揚させてくれる、何げに高密度な敢闘内容。

★抽象性に徹したヨーロッパ・フリーらしいハードでシュールな面もあるが、どちらかと云えばトータルとしては、「フリー・ジャズ」or「フリー・ファンク」・タイプの、ノリのよさや情緒性をキッチリ有した文脈が基調を成している感があり、要所要所に現れるサックスやトロンボーンらの、バップ&ブルースのフィーリングを投影した旨口なソロが瑞々しい際立ちを示したりと、メリハリの利いた誠にカラフルな進行、流れ様で、一時も飽きさせることがない。

★アブストラクトとバップの間を烈しく自在に往来するトランペットや、奇怪でダークなエレクトロニクス、ノイジーなギター、ウォーム&ソウルフルなトロンボーン、おぼろでアーシーかつリズミックなチューバ、ある時は超絶フリーキーまたある時は渋旨ファンキーなアルトサックス、などなど、それぞれにインパクト強烈で充実したソロの名場面も多数。

1. Ana 13:45
2. Riofun 28:16
3. Circle In The Round 16:53
all music by Paal Nilssen-Love

Thomas Johansson (trumpet)
Mats Äleklint (trombone)
Julie Kjær (alto saxophone, flute)
Klaus Holm (alto saxophone, baritone saxophone)
Per Åke Holmlander (tuba)
Børre Mølstad (tuba)
Ketil Gutvik (electric guitar)
Tommi KerÄnen (electronics)
Paulinho Bicolor (cuica, triangle, tamborim)
Celio de Carvalho (congas, bongos, tamborim, pandeiro, berimbau, caxixi, alfaia)
Jon Rune Strøm (acoustic bass, electric bass)
Christian Meaas Svendsen (acoustic bass, electric bass)
Andreas Wildhagen (drums, percussion)
Paal Nilssen-Love (drums, percussion)

2015年8月14日ノルウェー-オスロのRainbow Studio録音

レーベル：PNL

在庫有り
W紙ジャケット仕様CD