★ステファン・オリヴァのソロによる映画音楽集の3作目、独創的なJ-L・ゴダールの監督作品にふさわしいジャズ的解釈。
★これはフランスのピアノ奏者ステファン・オリヴァのソロによる映画音楽集の3 作目で、J - L ・ゴダールの監督作品の音楽に的が絞られている。アルバム表題の表記( v a g u e - ) が示唆しているようにいわゆるヌーヴェルヴァーグ期の作品が多く、しかも「勝手にしやがれ」( 4 ) 、「女は女である」( 5 ) 、「女と男のいる舗道」( 1 ) 、「気狂いピエロ」( 2 、3 、1 3 ) とこの時期の名作群が輝いている。ジャン=ポール・ベルモンドの名演・妙演に心ときめくマダム/ マドモワゼルも、美しいアンナ・カリーナに恋心を燃やしたい出にうずくムッシューもいらっしゃることだろう。マーシャル・ソラル( 4 ) 、ミシェル・ルグラン( 1 、5 の1 部と3 部、1 1 ) らの創意がサウンドトラックに刻印された時期でもある。古今東西、ゴダール映画について盛んに解説・解読が行われてきたのは、話法的にも技術的にもきわめて独創的だからに他ならない。即興演出を好み、筋がはっきりしないとか尋常な物語展開ではないことが多い。アルバム表題でV a g u e m e n t ( あいまいに) というのはそのことを言いたいのだろうし、それからジャズの即興的な演奏マナーにも掛けていると思われる。オリヴァはここで珠玉のメロディというお宝を掘り出して磨きをかけて差し出してくれているが、その磨き方は楽曲解釈というよりも映画解釈と言った方がいいかもしれない。まるでウブな天使を描くかのような可憐な音像でナナ( カリーナ) を描き( 5 ) 、精神分析医のようにフェルディナン( ベルモンド) の診断にふけってみせる( 2 、3 、1 3 ) のが良い例だ。オリヴァはときにミクロに、ときにマクロに強いこだわりを示し、予断を許さない。ゴダール作品にふさわしいジャズ的解釈として楽しめる。(T e x t b y 岡島豊樹氏)
参考: 題材となっている映画: 1 / 女と男のいる舗道、2 / 3 / 1 3 / 気狂いピエロ、4 / 勝手にしやがれ、5 / 女は女
である& はなればなれに、6 / カラビニエ、7 / アルファビル、8 / フォーエヴァー・モーツァルト、9 / 軽蔑、1 0 / ゴ
ダールの探偵、1 1 / 小さな兵隊& パッション、1 2 / 勝手に逃げろ( 人生)
1. Vivre Sa Vie
2. Partir En Vitesse / La Mort Bleue*
‐2.1, Partir En Vitesse
‐2.2, La Mort Bleue
3. Sortir D'un Mauvais Reve / Ferdinand*
‐3.1, Sortir D'un Mauvais Reve
‐3.2, Ferdinand
4. A Bout De Souffle ?Suite
5. Portrait D'Anna Karina*
‐5.1, Chanson D'Angela
‐5.2, Bande A Part
‐5.3, Angela, Strasbourg Saint‐Denis
6. Blues Chez Le Bougnat
7. Valse Triste
8. The Sea ?XII
9. Ouverture / Camille
10. Elle Hesite !
11. La Torture C'est Monotone Et Triste / Agnus Dei*
‐11.1, La Torture C'est Monotone Et Triste
‐11.2, Agnus Dei
12. Sauve Qui Peut (La Vie)
13. Est‐ce Que Vous M'aimez ?
Stephan Oliva (piano) ソロ
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