★インテリジェンスとクールなポエジーが相まった独特の抒情的ピアノ表現が、ステファン・オリヴァの特徴。彼と5人のゲストとのデュオによるスタンダード集。
●Owl/BMG/Emouvance/Night Bird Music/Sketch等よりの意欲作群に根強い人気を集める、尖鋭インテリ肌の硬質な作風で鳴らしたフランスの個性派ピアニスト:ステファン・オリヴァの、今回は、突出した個性の名手5人を迎えての、それぞれデュオ演奏2曲ずつを収めた一編。曲は有名作品中心。
★鋭く研磨された知的・覚醒的なクールネスと、妖気渦巻くダークな内省的リリシズム、を底流させながらの、表情多彩で起伏に富んだ、生々しくもきめの細かい真剣勝負な抒情対話が腰を据えて奥深く、そしてシャープに交わされてゆく、ピリッとスパイスの利いた濃密内容である。リアルな自由即興度も結構高い、バラード形式を中心とした陰影深くスピリチュアルな迫真のやりとりが連続し、曲・相手によって筆致やテンションをフレキシブルに変移させる主役pと、各々存在感もこってりの個性的なゲスト陣、の一音一音に濃厚な説得力(熟成されたエッセンス?)を感じさせる気力充実の即興ソロ&インタープレイが、サスペンスフルかつ感動的に余情豊かな見せ場を形作っている。
★しっとりとした爽涼な潤いや耽美的・幻想的なロマンティシズムを湛えた正攻法めの詩情表現=バラード・フレージングと、より重厚で鋭角に尖った、パーカッシヴさ強調型のアブストラクトな半幾何学的ダイナミズム攻勢、を細かく的確に使い分け、またはブレンドして、緩急・濃淡ある流れをデリケートかつナチュラルに創出して見せる、p者の抑えの利いたストーリーテリングの妙が冴え渡る他、L・シャーロックの巧く力の抜けた浮遊感漂うクールなつぶやき節や、超デリケートで突起的キレのあるJ・バロンのたゆたうようなスペイシーな空間演出、辺りも中々含蓄深くインパクト大。緊迫感と旨味満点の丹誠こもった力作。
1 Sometimes I Feel Like A Motherless Child
2 Naima
3 La Plus Belle Africaine
4 Sachs March
5 My One And Only Love
6 I Loves You, Porgy
7 Come Rain Or Come Shine
8 Moon River
9 Lonnie's Lament
10 Solitude
Stephan Oliva (piano)
Susanne Abbuehl (vocal)
Joey Baron (drums)
Jean-Marc Foltz (clarinet)
Linda Sharrock (vocal)
Claude Tchamitchian (bass)
2005年 録音
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