★前作「In Between Moods」も好評だった、カナダ-ヴァンクーヴァーと米シアトルを行き来しつつ幅広く活躍するピアニスト:トニー・フォスター(1974年カナダ-ブリティッシュ・コロムビア州ノース・ヴァンクーヴァー生まれ)の、ベーシストが交代した新トリオによる、今回はエンニオ・モリコーネとヘンリー・マンシーニの名曲群を奏したソングブック編。
★鋭角的キレや堅牢性とまろやかな潤いを併せ持った、陰影味にも富む表情豊かなタッチのピアノが、歌心満点にして硬派バピッシュなダイナミズムも充分の、ビタースウィートな抒情的プレイを繰り出してシブ爽やかに絵を飾った、実に歯切れよく安定感抜群の好演内容。
★リズム・スタイル面にも多様で細かな創意が凝らされながら、スウィンギンでメロディアスなリリカル・アクション・タイプの快活溌剌たる行き方が続き、ベース&ドラムの、安定律動性バッチリでいて何げに鋭くフェイントも噛ましてくる縦横無尽のサポートも、覿面にリフレッシュ効果を上げる中で、フォスター(p)の、多彩かつ結構骨太く芯の据わったアドリブ技がテイスティー・グルーヴィーに、風格も堂々の魅力を放ってゆく。→原曲の持つ端麗な旋律性や詩的風趣を活かして、マイルド・ロマンティックな耽美派メロディストぶりを発揮する面もある一方、しかしその本領は、わりかし「昔気質の生粋バッパー」っぽい感もあって、即ち、中々ハード&ダークで苦味走った殺陣風のアクション攻勢が随所で凛々しく渋い、そして毅然とした冴え&映え様を際立たせており、そうした、ちょっとストイックでもある燻し銀的な鳴音キャラが奏効して、全体は適度に質素でしっかりした歯応えのある「醸熟」な仕上がりとなっていて、さりげなく見事。
1. A Flower Is All You Need (Morricone)
2. Love Theme From Cinema Paradiso (Morricone)
3. It Had Better Be Tonight (Mancini)
4. Nothing To Lose (Mancini)
5. Theme From U Turn (Morricone)
6. Deborah's Theme (from Once Upon A Time In America) (Morricone)
7. Slow Hot Wind (Mancini)
8. Mr. Mancini (T. Foster)
9. Love Circle (Morricone)
10. Theme From The Pink Panther (Mancini)
Tony Foster (piano)
Nate Parker (bass)
Joe Poole (drums)
2015年10月29日,30日録音
レーベル:
Tony Foster Music(自主制作)
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見開きペーパースリーヴ仕様CD