★円熟の好調ぶりが続く当代ハード・バップ・トロンボーンの第一人者:スティーヴ・デイヴィス(1967年マサチューセッツ州ウォーセスター生まれ)の、E・ヘンダーソン、E・アレクサンダー、H・メイバーンらとのオールスター・コンボによる一作。
●ピタリと息の合ったホーン陣のアンサンブルが凛々しくも爽やかに旗めき、ウォームでいて鋭敏なキレのよさも備わったトロンボーンや、鮮やかに流線形を描くテナー、ピリッとしたハードボイルドなトランペット、熱血でダイナミックなピアノ、らの活躍が、カラフル&テイスティーに充実した見せ場を繋いでゆく、実に清々しい会心打内容。メロディアス&スインギーでブルース色も濃い、真っ向勝負のハード・バップ熱演が展開され、デイヴィス以下各人の、伸びやかであり、かつ、結構簡潔にエッセンスを濃縮したようでもあるソロ奮戦が、それぞれ抜群のスター性をも放ちながら、極めて密度の高い大豊饒地帯を形成してゴキゲンだ。デイヴィスの、温かでふくよかなトーンに包み込むような優しさを湛え、それでいてシャープに突きor斬り込みを入れてくるが如き精悍げな風合いをも呈した、軽快飄々にしてアーシーなコク味溢れる立ち働きが、何ともデリシャス・グルーヴィーに傑出した冴えを見せており、また、メイバーンの、適度に荒削りな息遣いでホット&ワイルドに登り詰めるスピリチュアルな大攻勢や、アレクサンダーの、ある時は寛ぎ調子で悠然と波に乗り、ある時はモーダル・アグレッシヴに鬼気迫る疾駆ぶりを決め込む劇的敢闘、といった辺りも文句なく超芳醇に際立っている。
1. Pinnacles 5:02
2. What Is This Thing Called Love? 5:02
3. Shortcake 6:03
4. Mr. Johnson 5:53
5. Lament 8:28
6. Say When 6:38
7. Kenya 6:44
8. Shutterbug 5:40
9. Village Blues 6:45
10. There Will Never Be Another You 5:46
11. When The Saints Go Marching In 5:57
Steve Davis(tb)
Eddie Henderson(tp except 5,10)
Eric Alexander(ts except 5,10)
Harold Mabern(p)
Nat Reeves(b)
Joe Farnsworth(ds)
2015年アメリカ作品
レーベル:
Smoke Sessions
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