★かつてはカンザスシティで、現在は(1998年より)ニューヨークで活躍し、20数年来「コンコードの歌姫」として絶大なる人気を博してきた実力派シンガー:カーリン・アリスン(1963年カンザス州グレート・ベンド生まれ)の、今回は、ケニー・バロン(p)&ジョン・パティトゥッチ(b)の名手コンビと組んで、ロジャーズ&ハマースタインの名曲群(「サウンド・オブ・ミュージック」「王様と私」「南太平洋」「オクラホマ」、以上4つの傑作ミュージカルから選曲)を歌ったソングブック編。
★清澄でまろやかな潤いと、スモーキーな翳り、が表裏一体化した、ニュアンスに富むきめ濃やかな端麗ヴォイス(ちょっとハスキー)による、優しくハートフルな抒情性に溢れ、かつ、ジャズらしいダイナミックなグルーヴ感や、ブルージーな旨味、クールな様式美、なども適宜軽妙に体現される、トータル的には柔和で瀟洒な風合いを呈した自然体調子の演唱が、含蓄豊かに、サラリと風流に爽やかな華を成し、インスト陣の、結構骨太くてコクの利いた妙演も、濃厚に魅力を際立たせた、何ともアジな充実内容。インティメイトさや寛ぎが保たれながら、バロン&パティトゥッチの迫真の敢闘が奏効して、リアル・バップ的な硬派テイストやダイナミズムも上手く醸し出された、ハートウォーミングでいてメリハリ充分、歯応えも充分の道程が形成されており、アリスンの、リキみなげで滑らかな息遣いの中に、熟成された深い「味」を垣間見せる、といった感じの、瑞々しい感動とイキな軽みに満ちた語り口が、スッキリさっぱりした誠に清新な冴えを示してゆく。→可憐さも仄めくマイルド・ロマンティックなリリカル指向の優しい節回しを基調としつつ、並行して、抜群のブルース・センスやリズム感を揮った本格派っぽいアプローチも豊富に挿入し、シブめの吟醸味や躍動感、スリルを絶妙に描出、それでいて全体を俯瞰すると、リラクゼーションに決して反しない、「小粋さ」「テンダネス」といったイメージに自ずと収束している、という、繊細であり、ちょっと恬淡でもあるその雅趣漂う歌声のあり様、はさりげなくも実に魅惑的で、一方、鋭角なタッチでソウルフル&ハード・バピッシュにビシビシ迫るバロンや、重厚でこってり特濃なパティトゥッチ、らの働きもインパクト大。
1. 美しい朝
2. 新しい日々
3. ハッピー・トーク
4. いやとは言えないの
5. アイ・ハヴ・ドリームド
6. 私の夢から
7. バリ・ハイ
8. ウェン・アイ・シンク・オブ・トム / ハロー、ヤング・ラヴァーズ
9. 木陰のくちづけ
10. 用心深いはなし
11. サムシング・ワンダフル
12. 飾りのついた四輪馬車
13. 何かよいこと
14. エーデルワイス
15. ほとんど私の物 (ボーナス・トラック)
Karrin Allyson カーリン・アリスン(vocal)
Kenny Barron ケニー・バロン(piano)
John Patitucci ジョン・パティトゥッチ(bass)
2015年5月1日&2日 ニューヨークシティのSear Sound録音
◆日本語解説付
◆ボーナルトラック1曲収録
レーベル:
Agate(Motema Music原盤)
試聴ページへ
在庫切れ
可能な限りお取り寄せ致します
国内制作CD