★インドの古典音楽にも造詣深いという、ニューヨーク・シーンで活躍するイスラエル出身の若手テナーサックス奏者:Oded Tzurの、人気ピアニスト:シャイ・マエストロも参加したカルテットによる一作。
★ある時はスモーキーな掠れ感や脱力的ソフトネスを湛えつつスムースに遊泳し、またある時は、しなやかで中々堅固な張りのよさ・屈強さを呈したダイナミックな咆哮を紡ぐ、艶&旨味溢れるテナーサックスの哀感豊かな滑脱プレイが生鮮に華を成し、一方、硬派なグルーヴ感や力学性と濃やかなメディテーション風情(〜内省感)を併せ持ったピアノの助演、も奥深い趣を形作った、何とも瑞々しい感動に包まれるスリリングかつテイスティーな好演内容。
★現代的モーダル・バップのスタイルに則りながら、しかしその曲想からは独特のエキゾティズムが立ち昇る、フォーキー・スピリチュアルっぽいテイストを有した抒情指向のユニークな演奏が展開され、落ち着いたリラクゼーションやしみじみとした哀愁ムードと、歯切れのいい躍動感や快活さ、が絶妙に掛け合わされた、さりげなく流麗でメリハリある道程の中、Tzurやマエストロの腰の据わったソロ敢闘が、おおらかに、それでいて結構濃密に、充実した見せ場を飾ってゆく。
★Tzurの、ブルージーでソウルフルな吟醸節と、瞑想感漂うフォーク歌謡的な文体、とが一体化したような抑揚豊かで端正なマイナー調のメランコリック・ブロウが、特有の吟遊詩人風牧歌性も匂わせながら、じんわりと滋味深く冴え渡っており、かたやマエストロの、時にはクール、時にはエモーショナルに、硬質骨太なダイナミズムを体現しつつ内的世界の奥底へじっくり降りてゆく風な、耽美性やロマンティックさと幾何学的パーカッシヴさが表裏を成したアプローチ、の凛々しくも幻惑性孕むたたずまいがまた素敵。
1. The Dance
2. The Song Of The Silent Dragon (And The Courage Of His Friends)
3. Tzurkauns
4. Warrior Elephants Flying In The Moonlight
5. Child's Dance
Oded Tzur(tenor saxophone)
Shai Maestro(piano except 4)
Petros Klampanis(bass)
Ziv Ravitz(drums except 4)
2014年3月26日 NYCのAvatar Studios録音
レーベル:
MUZAK
Yellowbird (Enja)
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