★D&D TrioやSony、Motema Music等よりの作品群に好評を集めてきた、NYを拠点に活躍する早熟の個性派ピアニスト:エルダー(エルダー・ジャンギロフ)(1987年キルギス共和国生まれ)の、今回は、トリオ編成(ソロ・ピアノも3曲)による世界各地でのライヴ音源をまとめた一編。
●骨太くもキレのいい強固なクリアー・タッチによる、凹凸烈しい力学指向の大立ち回りワザ!、を基軸としつつ、よりクール・ブルージーでバピッシュな洒脱フレージングや、耽美肌のエレガントな行き方、なども按配よく盛り込まれる、一貫して明快壮快なエモーションに溢れた躍動的プレイが、何とも闊達げに、スカッとした爽やかな映えを示した会心打内容。リズム・スタイルは多様に変移し、インタープレイの迫真スリルにも富んだ、中々ハードではあるがしかし、極めて掴みやすい「情動」が鮮明に描き出される、エンタテイメントにしっかり適ったブレなげでスケールのデカいリリカル・アクション的熱演、が展開され、ベース&ドラムの、重厚でいて跳ねやハジきのいいアタッキングなサポートに強力にプッシュされながら、エルダーの、ひたすら気力全開で完全燃焼するような、ただならぬハイ・テンションさを湛えた精悍軒昂なるアドリブ奮戦が、理屈抜きの圧倒的昂揚感に満ち満ちた清々しい絶好調ぶりを見せてゆく。→パーカッシヴめの堅いタッチを活かして、時にはアクロバティカルなほどの激しさをもってガキゴキと硬質鋭敏に起伏を織り成してゆく、リズム感も抜群の超ダイナミックな殺陣風アプローチ、に揺るぎない本領が発揮されており、また、ファンキーであったりモーダル・スピリチュアルであったり、マイルド・フォーキーっぽかったり、或いはロマンティックな歌曲的バラード表現であったり、などのメロディアスな展開にあっても、その片方の軸足は絶えず「ダイナミズム主義(打楽器志向)」に確固と据えられている感があって、そうした、力学性と美旋律性がスリリングに同居した語り口は、何げに全く独自のフレッシュな魅力に溢れている。ピーターソンをより鋭角化した現代版(或いはペトルチアーニにも通ず?)、と云ったところか。
1. Blackjack
2. Morning Bell
3. Airport
4. Driven Blues
5. Hope
6. I Should Care
7. What'll I Do
8. South Bixel
9. Embraceable You
10. Moarnin'
11. Exposition
Eldar エルダー(piano)
Armando Gola アルマンド・ゴラ(electric bass on 1,2,3,4,5,7,8,11)
Ludwig Afonso ルドウィッグ・アフォンソ(drums on 1,2.3,5,8,11)
Ferenc Nemeth フェレンク・ネメス(drums on 4)
Jonathan Joseph ジョナサン・ジョセフ(drums on 7)
2015年作品
レーベル:
Agate
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CD