過去の諸作も好評だった、ベルギーを拠点に活動する南アフリカ出身の女性歌手:トゥトゥ・プワネ(1979年Atteridgeville生まれ)の、コンボ伴奏での快調編。潤い豊かで艶やかなトーン高めのクリーン・ヴォイスによる、優しくデリケートに詩情を描写し、かつ、ダイナミックなシャウティング節やスキャット技も軽快にキメる、メリハリの利いた瀟洒で涼しげな劇的演唱が、瑞々しくも旨味溢れる映えを示した好投内容。リズミカルなグルーヴ感に富みつつ、しっかりシャープな緊張感を湛えたバック陣のコンテンポラリー・バピッシュ熱演も、スリリング&テイスティーにこってり際立ちながら、スタイリッシュで歯切れよい、溌剌とした道程が続き、プワネの、骨太で濃い口な演奏とも堂々と渡り合いながらの、伸びやかでイキのいい、それでいて洒落たウィットも感じさせる表情多彩な歌い回しが、スッキリ晴れ晴れと突き抜けるような超爽快な、おおらかな魅力を放ってゆく。情感やメロディーを大切にしつつ、抑揚豊かに中々力強くエモーションを活写し、同時に、発声そのものの清澄さが利いて絶妙のクールネスも齎される、という、その、器楽的本格アクション手法やブルージーな吟醸節も達者ながらトータル的にはあくまで、「小粋でソフィスティケートな抒情性」を自ずとキープした、奥行き〜包容力やスケール感をバッチリ備えた懐深いストーリーテリングの妙、は何げに練達で説得力も絶大。ファンキーなピアノや、リアル・ハード・バピッシュなホーン陣も好演。
1. Motsumi
2. Bless Up!
3. Sunsong
4. Body And Soul
5. Fascinating Rhythm
6. iLanga
7. Change The World
8. Images
9. Sisters
10. Home
11. Over You
12. The Way Out
13. Take Your Love & Keep It
Tutu Puoane(vo)(kalimba on 8)
Carlo Nardozza(tp,flh)
Wietse Meys(ts)
Ewout Pierreux(p,elp)
Nicolas Thys(elb)
Jasper Van Hulten(ds)
special guests:Kabomo(vo on 6,10)
2014年6月29,30日,7月1日ドイツ-OsnabruckのFattoria Musica Studio録音
レーベル:
Agate
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国内制作・紙ジャケット仕様CD