CATFISH RECORDS

★アメリカの人気女性歌手:キャロル・スローン(1937年ロードアイランド州プロヴィデンス生まれ)の、本盤は、ニューヨーク・ジャズ・カルテットと共に初来日した折＝1977年10月、フランク・ウェスを除くNYJQのメンバー(ローランド・ハナ以下のトリオ)をバックに東京で吹き込まれた傑作(Trio PAP 9099)、の紙ジャケット仕様での新装CD化版。

★落ち着いた温かみとクールな透徹感を併せ持ち、また、まろやかなソフトさとしなやかなシャープネスが自然に混在した、程好い厚みを呈する中低音のニュアンス細かなハスキー・ヴォイスによる、肩肘張らず伸び伸びと優しく語りかけるようであり、同時に、ブルージー・スウィンギンな躍動的グルーヴ表現にも堂々たる旨味を発揮して見せる、さすが熟成された包容力満点の演唱が粋な、そしてハートウォーミングな映えを示した芳醇編。

★インティメイトな寛ぎと歯切れのいいダイナミックなスイング感や開放感、が並立した「和気溌剌」の道程が続き、スローンの、温厚柔和で哀愁溢れるロマンティック・ムーディーな節回しや、軽妙瀟洒な小唄調のリラクシン・フレージング、更には、豪快でパワフルなイキのいいスキャット熱唱など、さりげなく表情変化に富んだ、滑脱自在にしてウィットある歌唱展開がナチュラルに、爽やかに醸熟ぶりを見せていて、何とも素敵だ。ブレのない骨芯の太さも好もしく感じさせる、「大人の吟醸味」に満ちた逸品。

1. A列車で行こう
2. 歌に心こめて〜ドゥ・ナッシン・ティル・ユー・ヒア・フロム・ミー
3. ソリチュード
4. サテン・ドール
5. イン・ア・センチメンタル・ムード
6. スウィングしなけりゃ意味がない
7. ソフィスティケイテッド・レディ
8. ムード・インディゴ
9. プレリュード・トゥ・ア・キス
10. ジャンプ・フォー・ジョイ
11. カム・サンデイ
12. A列車で行こう

Carol Sloane キャロル・スローン(VOCAL)
Roland Hanna ローランド・ハナ(PIANO)
George Mraz ジョージ・ムラーツ(BASS)
Richie Pratt リッチー・プラット(DRUMS)

1977年10月16日 東京録音
(原盤：Trio PAP 9099)

在庫有り
紙ジャケット仕様CD

レーベル：Muzak

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1977年10月東京、あの日、あの場所で名作は生まれた

「1977年10月、2年半ぶりに来日した≪ニューヨーク・ジャズ・カルテット≫はジョニー・ハートマンとキャロル・スローンというトップクラスのジャズ・ヴォーカリストを伴ってきたが、初来日のキャロル・スローンがこのコンサートの評判の的になった。第1部でＮＹジャズ・カルテットの演奏が大きくスペースをとり、第2部でキャロル、ハートマンが5曲ずつ歌ったが、彼女の歌に期待して行った人にはたった5曲ではいかにも食い足りない。ハートマンがもう一つ乗らず、前回よりもよくなかっただけにキャロルにもっと歌って欲しいと思ったファンは多かったようだ。そういうファンの失望、欲求不満に応えるかのように彼女は短い滞在中に日本で2枚のアルバムを吹き込んで帰った。」
・・・ 野口久光氏 （オリジナル・ライナーより）