★ペンシルヴェニアのローカル・シーンで長らく地道なライヴ活動に没頭してきた(ジャズ・クラブ“Deer Head Inn”のハウス・ピアニストを長年務める)寡作家であり、キース・ジャレットに多大な影響を与えた、との説もある、抒情派モダン・ピアノの独創的スタイリスト:ジョン・コーツJr.(1938年ニュージャージー州トレントン生まれ)の、本盤は、トリオ基本による1974年のライヴ録音盤(OmniSound原盤)のCD化。
★折り目正しくも力強くキレのある、透徹かつ骨太なクリスタル風の端麗タッチによる、ロマンティックでちょっぴりゴスペル・フォーキーそしてダイナミックな、起伏に富んだ溌剌たるメロディアス・プレイが、絶えずクッキリとした輪郭で清々しい映えを見せた会心打内容。
★歌心をたっぷり込めて、ひたすら歯切れよくメリハリ満点に詩的情景を活写する、実に爽やかなリリカル奏演が続き、ベース&ドラムの、エッジの利いたシャープで弾みのいいサポートに巧く突き煽られながら、コーツの、一貫してハキハキと快活に美旋律を歌う躍動的メロディストぶりが冴えて、その道程は、繊細でいて開放感や明朗さ溢れる誠に親しみやすい、また味わい深い展開となってゆく。おおらかでスウィートな牧歌性を湛えたリズミカル節や、エヴァンスに接近した機動的な耽美浪漫フレージング、更には、バップ、ストライド、ブギウギの定番イディオムを使ったファンキー・ソウルフルな吟醸アクション、など、何げに振り幅大きく表情を変転させるコーツの滑脱な活躍が、文句なしに絶好調。
1. ラヴ・イズ・イナッフ
2. チューンno. 4
3. ア・マイナー・ワルツ
4. ディープ・ストリングス
5. イエスタデイ
6. リトル・ロック・ゲータウェイ
John Coates, Jr. ジョン・コーツJr.(p)
DeWitt Kay デウィット・ケイ(b except 2,5)
Glen Davis グレン・デイヴィス(ds except 2,5)
1974年ペンシルヴェニア州ノーザンプトンのコミュニティ・カレッジでのライヴ録音
レーベル:
Muzak
在庫有り
紙ジャケット仕様CD
★デイヴ・ブルーベック、ボブ・ドロー、アル・コーン、クラーク・テリーをはじめとするそうそうたるミュージシャンから絶賛されながらもジャズ・ファンの前から姿を消した幻のピアニスト、ジョン・コーツ。当時日本のリスナーから熱狂的に支持されコーツ・ブームを巻き起こしながらも今日まで復刻されることもなかった悲運の名盤が、発表から30数年を経て奇跡のCD化!! 【オリジナルLP紙ジャケット仕様】
★「私達の住んでいるエリアで、ジョンといえば「最高のジャズ」の代名詞だった。そして、謙虚であるがゆえに無名であった多くの素晴らしいミュージシャン達と同じように、ジョンも彼が受けるべき注目と称賛を受けてはいなかった。日本では良く知られていたし、ヨーロッパも彼に注目をしていたにもかかわらずだ。でも、ミュージシャン達、それも絶対的な影響力を持つ素晴らしいミュージシャン達は、誰だってジョンを知っていた。キース・ジャレットに聞いてみればわかる。ゴードン・ベック(イギリス出身の素晴らしいピアニスト。彼と私はヨーロピアン・リズム・マシーンで一緒だった)に聞いてみてもいい。そして今ジョンの演奏を聴く貴方は、なぜ私達がジョンの音楽を愛するのかを知るだろう。」・・・フィル・ウッズ
★「素晴らしい。彼は最高だ!」この言葉はどこで引用してもらっても構わない。そしていかなる人も、彼の左手に危害を加えないでほしい。・・・・デイヴ・ブルーベック
★初めての共演は彼が16歳の時だった。その頃からジョンの才能はずばぬけていたし、一緒に演奏するのは楽しかった。彼は絶えず成長し続ける。そしてこのアルバムは彼の音楽の素晴らしさを人々に知らしめる最高の機会だと思う。これからもこのようなアルバムを沢山出してもらいたい。このアルバムを聴いてから、友達にあげるために何枚か買ったし、もっと買う予定だ。推薦文としては、こんな感じでどうかな?・・・・アル・コーン
★ジョン・コーツのジャズ・サウンドの真髄と共に過ごす、素晴らしい時。・・・・ボブ・ドロウ
★「ジョン・コーツは純粋なミュージシャンだ。普通なら“キースに影響を与えたのは私なんだ”といってもよさそうなのに、そんなことには無頓着だった。野心さえあればビル・エバンスやキース・ジャレットのように名声を高めることができたに違いない」・・・児山紀芳(スイングジャーナル78年8月号より抜粋)