★ケニー・ワーナーの様々なアーティスティックな顔が見える傑作ピアノ・トリオ作品!
★ 1951 年生まれ。活動歴も長く、エピソードは多数ありますが、あのクインシー・ジョーンズをして“ソウルと技において360 度、全方向に完璧であると言わしめたアーティストであり、ハーモニカの大巨匠トゥーツ・シールマンスからも信頼をえるピアニスト。トゥーツ・シールマンスとは90 歳記念のコンサートにおいてオオトリとなるアンコールの場面でゲスト登場したことも思い出されます。
★そして本作は、そのトゥーツ・シールマンスのヨーロピアン・カルテットのリズム・セクションと与した久々のピアノ・トリオ作品。作品数は決して少なくないアーティストでありつつも、2000 年代初めにJohannes Weidenmueller、Ari Hoenig とのニュー・トリオを結成しての作品は数作。日本制作でリリースされた作品からも5 年を経ていますので、本作は正に待望のリリースと言えましょう。
★オープニングは、あのサイモン&ガーファンクルの名曲<サウンド・オブ・サイレンス>でスタート。久しぶりの作品でPOP路線か?との思いは、するりと気持よく裏切られ、ケニー・ワーナーのケニー・ワーナーらしい、漂うようなハーモニーで、美しき世界に誘われます。果たして、この曲は同名異曲か?という疑問もよぎる展開ながら、後半にははっきりあのメロディが浮かび上がります。その危うい美しさ、原曲の不可思議でディープな歌詞の世界を表現するかのような深遠な世界。そもそも“Sound(音)とSilence(静寂・沈黙)”というパラドキシカルなものを表現するアーティストこそ、このケニー・ワーナーとも思われ、この一曲だけでも、アーティストとしてのセンスが出ていると言えましょう。
★一方、抽象と具象双方の世界を自由に行き来出来るのも、ケニー・ワーナー。続く、2 曲は、幾分かアブストラクトな世界に突入しつつも、4 曲目は、正にトリオ・サウンドの醍醐味と言える三位一体、スウィング感も根底に据えた自由なリズム・チェンジが決まる演奏で、美しさとスリリングさが合いまった一曲。唯一のジャズ・スタンダードと言えるM-10でもライブで聴いたら思わず歓声が上がりそうなスリリングな演奏を聴くことが出来ます。
★ベーシストのハイン・ヴァン・デ・ハイン曰く“エゴから離れ、音楽に耳を傾け、身を任せれば、真に素晴らしい創造的なものが生まれる機会に出会える。その時、音楽は3 人の和以上の大きなものになるんだ。このレコーディングでの数日間、スタジオで自分たちは、ただ、そうして演奏し、素晴らしい瞬間に出会えた”とのこと。また、“かつては練習し、さらに研究することで音楽をコントロールできると思っていたのかもしれないけれど、それは音楽を複雑にしてしまっただけ。自らの感じたことに自信をもって、音の会話をすることの方が今はとても大切に思える”とも。即興演奏を中心にしつつも、この演奏が、決して難しい世界に埋没しないのは、そうした、3人のアーティストの音の会話が息づいているからでしょう。
★アブストラクトな色彩感が強い前半と、メロディの色彩が強い後半というコントラストも秀逸。ラストは、可憐さも感じられる美しい演奏。決してわかり易い作品ではありませんが、正に聴けば聴くほど味が出る、素晴らしい作品です。(新譜案内より)
1 Sound Of Silence 10:181:34 / 10:19
2 Do You Do 03:53
3 Feeling Round for it 03:47
4 Attitude 05:05
5 Elegante 10:16
6 First Line 03:11
7 Crystals 02:32
8 In The Heart 03:04
9 There Will Never Be Another You 06:55
10 Passage 02:36
11 Dot Dash 04:18
12 Raising The Bar 04:34
Kenny Werner(p),
Hein Van de Geyn(b),
Hans van Oosterhout(ds)
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CD