CATFISH RECORDS

★松尾明トリオやグループ:十五夜の花形として人気を上げ、先年出た自己名義アルバム「Teramura Yoko Moods」も大好評を博していた正統派女性ピアニスト:寺村容子(神奈川県出身)の、前作と同じトリオを率いての好編。
●強堅でキレのある、それでいて潤いや滑らかさも自然と備わった、さりげなく表情濃やかな「おいしい」ピアノ・タッチによる、腰を据えて伸び伸びと、明るくおおらかに情感を歌う全き正攻法のブルージーな抒情指向プレイ!、が何とも壮快な、そして芳醇な吟醸映えを見せた快打内容。
★単純明快な直球勝負の人情娯楽派ハード・バップ大会がハツラツと、軒昂かつ楽しげに決め込まれ、ベース&ドラムのドッシリ重厚で骨太な、突き上げてくるような頼もしいサポートも魅力的に際立った、メリハリ充分の歯切れよい道程の中で、寺村の、自然体の伸びやかな覇気に溢れながら、何げに無駄なく旨味のエッセンスがギュギュッと濃縮されたような語り口の妙、が一貫してスカッとサバけたフレッシュ&テイスティーな絶好調ぶりを示してゆく。
★バップやモードの定番イディオムを根幹に据えて、硬派で渋いグルーヴ感やアツい迫真味をしっかりと醸成しながら、粋筋のファンキー節であったり、繊細でロマンティックな哀愁歌謡的フレージングであったりと、「美メロ派」な文体を次々潤沢に盛り込んでゆくその、輪郭太く美味しさ濃厚にしてサバサバした簡潔明瞭な文脈展開は、一聴リキみなげでいてシンプル&シャープに練磨され、よく研がれた熟達さや懐深さを爽やかに匂わせて絶品だ。

1. ケープ・バーディン・ブルース　Cape Verdean Blues (Horace Silver)
2. ザ・ソング 　The Song (Yoko Teramura)
3. シャレード Charade (Henry Mancini)
4. ディスリトミア　Disritmia (Martinho da Vila)
5. 埴生の宿　Home Sweet Home (Take 1) (Henry Rowley Bishop)
6. トリオ Trio (Yoko Teramura)
7. キス・フロム・ア・ローズ Kiss From A Rose (Seal)
8. ボリビアーナ Boliviana (Chucho Valdés)
9. ソンリサ Sonrisa (Herbie Hancock)
10. デイブレイク Daybreak (Yoko Teramura)
11. シャレード Charade (Solo Ver.) (Henry Mancini)
12. 埴生の宿 Home Sweet Home (Take 2) (Henry Rowley Bishop)

寺村 容子 Yoko Teramura(PIANO)
新岡 誠(BASS)
諸田 富男(DRUMS)

2013年1月21日 横浜ランドマークスタジオ録音

レーベル：寺島レコード

在庫有り
国内制作セミダブル紙ジャケット仕様CD